目覚めればマフィアの十代目 日常編due
「沢田!笹川京子を賭けて勝負だ!」
え、何で?
と言うわけで今俺は剣道場に居る。・・・今授業中のはずなんだけどなぁ・・・とりあえず恭弥にメルっとこ。
「沢田貴様!携帯なんぞいじっていてやる気はあるのか!」
いや、やる気云々とか言われても。俺強制連行されたんだけど。
「・・・はぁ。」
わざとらしく溜息をついてみたら持田先輩の額に血管が浮いた。・・・そのまま血管ぷっちんしてしまえ。
そんなことを考えつつこうなった経緯を回想してみる。
朝、いつもどおりに学校へ行ったらいきなり持田先輩に挑戦状叩きつけられて、とりあえず鞄を置きに行かせてくれと教室へ行けば既に話は広がった後。何でも持田先輩は京子に(しつこく)一緒に帰ろうとか遊びに行こうとか誘っても毎回「ちゃんと一緒に帰るから」とか「ちゃんと予定が入ってるんです」と断られ続けていたそうだ。そして極めつけ。
「そんなに沢田が好きなのか!」
と聞いたら超いい笑顔で
「はい!大好きです!」
と返されたそうな。それに対抗心を燃やした先輩が挑戦状を叩きつけてきたと。・・・超が付くいい迷惑と言うか・・・京子・・・お前そんなに俺に懐いてたのかと思わざるをえない。
回想終了
携帯のメールを送信して制服のポケットに突っ込めばなんか自信満々に鼻で笑われた。・・・なぜ?
「ふ・・・さあ防具を付け竹刀を取れ!沢田!剣道初心者の貴様でもわかる簡単な勝負にしてやる!」
眉間に皺を寄せて黙っていたら怖気づいたとか思われたのか超上から目線でルール説明された。曰く、十分間のうちに持田先輩から一本取れば勝ちだそうだ。・・・”原作”通りだなぁ・・・ってことは防具と竹刀はウェイト物凄いことになってんだろうなぁ・・・、
「賞品はもちろん!笹川京子だ!!!」
プッチーン
「ふ・・・ふふふ・・・、」
「さ・・・沢田・・・?」
俺の中で何かが切れた音がした。”原作”で読んだときも賞品扱いとかイラッとしたけど、実際聞くとさらにむかつくな!
「・・・防具は要らない・・・竹刀・・・。」
すっと手を出せば先輩達数人がかりで竹刀を運んでくる。俺はそれを軽々と片手で構えて見せれば持田先輩が驚いて目を丸くしている。・・・ふ・・・三歳の頃から鍛えて五歳で暗殺部隊隊長(仮)に勝った様をなめんなよ!
「・・・じゃぁ・・・行きますよ、先輩!」
俺は床を蹴った。