目覚めればマフィアの十代目 日常編cinque
小さい頃から鍛えてて、もちろん気配を読むなんて基本中の基本な俺としては誰が底にいるかなんて振り向かなくてもわかる。
「・・・何か用ですか、獄寺隼人君。もう授業始まるから戻りたいんだけど?」
「・・・お前みたいなカスを十代目にしちまったらボンゴレファミリーも終わりだな。」
人の話し聞けよ。
「オレはお前を認めねぇ!十代目にふさわしいのはこのオレだ!!」
「・・・。」
なんていうか・・・ここまで”原作”通りなセリフを吐いてくれるといっそすがすがしいなぁ・・・(遠い目)。
というかリボーンに言われたのかもしれないけど、あんたが認めなくても九代目とザン兄に(強制的に)認められてるし、ボスになるにはボンゴレの血でなければならない。思わず苦笑がもれた。それを馬鹿にされたとでも思ったのか獄寺隼人は何処からともなくダイナマイトを取り出す。
「・・・目障りだ・・・ここで果てろ。」
俺に向かって放られるダイナマイト。
スッ
ダイナマイトは爆発しない。オレが服の中にいつも装備している鉄扇で導火線をぶった切ったからだ。それを、獄寺隼人は唖然と見ている。
「・・・リーボーンくーん!」
「○○くーんあそびましょー」な、ノリで呼んでみた。
「ちゃおっス。」
本当何処にいたのかわからない(リボーンの気配だけは読めない)感じで何処からともなく現れるリボーン。本当、神出鬼没だなぁ。
「思ったより早かったな。獄寺隼人。」
「・・・リボーン、知り合い?」
知ってるけど。
「あぁ。オレがイタリアから呼んだファミリーの一員だ。」
オレも会うのは初めてだけどな。
・・・連れてくるんだったら一回ぐらい会っとけと思うのは俺だけかな?
「あんたが九代目が最も信頼する殺し屋、リボーンか。」
・・・中身はいろいろ問題があると思うんだけどな。
「沢田を殺ればオレが十代目内定だというのは本当だろうな。」
「あぁ本当だぞ。んじゃ殺し再開な。」
「当事者置いてけぼりで話し進めんなよ。」
とか突っ込んでみてもスルーされた。獄寺隼人はもうやる気満々で大量の煙草とダイナマイトスタンバイ。
「獄寺隼人は体のいたる所にダイナマイトを隠し持った人間爆撃機だって話だぞ。又の名をスモーキン・ボム・隼人。」
あぁ知ってるよ。割と有名どころは全部ハルと正ちゃんが調べてくれたからね!!
ジジジ・・・
ダイナマイトに点火された。
「果てろ!」
スッ
「!二倍ボム!」
スッスッス
鉄扇に少し死ぬ気の炎を燈して大きさを調整。獄寺隼人が投げてくるダイナマイトの導火線を全て落とす。
「三倍ボム!」
それに焦ったのか本当に何処に持っていたのかさらに大量のダイナマイトを構えてくる。でもさすがにそれは持ちきれなかったようで、導火線に火のついたダイナマイトがぼろぼろと獄寺隼人の足元に転がっていく。
「しまっ!」
「!さっさと避けろ!」
俺は反射的に散らばったダイナマイトの中から獄寺隼人を引き寄せる。
ドォン!
ダイナマイトが爆発した。
「はー・・・危ないなぁもう。」
「!も、申し訳ありません!」
「・・・あぁ。うん、じゃぁとりあえず、退いて。」
「はい!」
現在の姿勢。獄寺隼人に押し倒されてる?みたいな感じ。だって勢い欲引っ張ったら後ろに倒れちったんだもん。
「お、御見それしました!!あなたこそボスにふさわしい!!!」
「おぉう・・・。」
変わり身早ぇな。
獄寺隼人に退いてもらって制服に着いた土を払ってたら土下座された。もっそい勢いで。
「十代目!!あなたについていきます!!何なりと申し付けてください!!」
・・・心なしか目がキラキラしてるのは気のせいか?
「負けた奴が買った奴の下につくのがファミリーの掟だ。」
「・・・知ってる。」
でも俺”勝って”無いぞ?突っ込みはスルーされた。
「オレは最初から十代目ボスになろうなんて大それたことを考えていません。ただ十代目がオレと同い年の日本人だと知って、どーしても実力を試してみたかったんです・・・。」
・・・なんだろう・・・耳と尻尾の幻覚が見える・・・俺幻術使えないんだけどな。
「でもあなたはオレの想像を超えていた!オレのために身を挺してくれたあなたにオレの命を預けます!」
あー・・・なんだろう・・・獄寺隼人の悪い癖って感じ・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・獄寺隼人。」
「はい!」
「俺は、命を大事にしない奴は、嫌いだ。」
「はい。」
「命を賭けるな、とは言わない。だが、自分の命を、粗末にするようなことだけは、するな。」
「はい。オレはオレの命を粗末にしたりは、しません。」
真剣に俺を見上げてくる。その言葉に偽りは無いだろうけど、多分、俺が危なくなったりしたら何も考えずに命を差し出したりしちゃったりするんだろうな、とかちょっとうぬぼれてみる。そして、苦笑しながら手を差し出す。
「これからよろしく、獄寺隼人。」
「はい!」
「ファミリーゲットだな、。」
出来ればもうちょっと穏便にやりたかったけどね。
バトルっていうか・・・バトルしてないね(苦笑)。
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