目覚めればマフィアの十代目 原作前cinque

とか何とか思いつつ、目の前に並べられた高そうで綺麗でおいしそうなケーキやらなんやらのお菓子の誘惑には勝てなかったよ・・・!顔がにやける・・・!
もきゅもきゅとケーキを頬張っていたらカチャン、とわざと音を立てたような音がした。・・・顔を上げればその視線は真っ直ぐ九代目を射抜くザンザス。
「ジジイ・・・俺は十代目にはならない。十代目はこいつ、沢田だ。」
「な!」
「ザンザス!?」
ちょっと俺は現実逃避をし、父さんと九代目は驚いたように声を荒げる。
「何を今更驚くことがあるんだ。俺には”ボンゴレの血ブラッド・オブ・ボンゴレは無い。ジジイとは血はつながっていないんだからな。それにこいつは俺を負かした。負けた者は勝ったものに従う、それがボンゴレの筋だろう。」
そう言って紅茶を一口(さすがにまだ酒片手に、って訳ではない)。
「それに、俺はこいつが気に入った。将来は俺の嫁にする。
いや、こいつが十代目就任したら俺が婿入りってことになるのか?
爆弾発言投下。普通に悩んでやがるよこの人!キャラ違いすぎるだろう!突っ込みどころが多すぎる!”原作”ぶっ壊してやろうとは思っていたけど、この展開は予想外すぎる・・・!色々と都合はいいけど。・・・さすがに”嫁”発言はびっくりだよね・・・。
「・・・ちゃんは・・・、
「・・・。」
ちゃんは嫁にはやらーん!
え?そこ?
秘儀!卓袱台返し!ぐらいの勢いで立ち上がった父さんはそれを鼻で笑っているザンザスとバトリ始めた。・・・あの鶴嘴って武器だったんだぁ・・・(ちょっと現実逃避)。
ちゃんは、」
「う?」
クッキーを口に含んでいたら真剣な目で九代目に声をかけられた。あれ?やな予感。
「ザンザスのお嫁さんになるのは嫌かい?」
・・・マジで聞いてるよこの人・・・。もくもくごっくん、とクッキーを飲み込んで紅茶で口を潤して、
「・・・別に、嫌じゃないけど・・・俺・・・自分より弱い男は嫌だよ。
だから俺が負かしたザンザスは現時点ではアウトだと暗に含ませてみたら向こうでバトっていた音がぴたりと止まった。あ、聞こえてたんだ。振り向いたらザンザスは何か渋い顔をしていて、父さんは何か勝ち誇った顔をしている。
「そうだよな!さっちゃんは父さんのお嫁さんになるだもんな!」
「なんねーよ。」
だいたい父さんには母さんが居るだろ。
思わず素でそう言って、とりあえず沈めておいた。

それからイタリア滞在中は常にザンザスが付いてきてくれて、イタリア語の勉強をしたり、九代目のところでマフィア講座(笑)を聞いたり、鍛錬(という名の俺を負かすためのマジバトル)をしてすごした。たまに街に出かけたりもしたけど、やたらザンザスが物凄い高価なものを俺に買って寄越すもんだからまじめにびびった。こちとら金銭感覚はしっかりばっちり庶民なんだよ・・・!あ、因みに父さんは急な仕事が入ったとかで部下の人(多分オレガノさんとターメリックさんだ)が迎えに来て泣きながら引きずられていった。・・・いいのかボンゴレNo.2よ。

そんなこんなでイタリア滞在最終日。「気合で終わらせてきた!」と胸をはる父さんをとりあえずド突いて(褒めてオーラがウザかった)飛行機(実はボンゴレ専用機でしたとかびっくりだ)へ。

帰りの飛行機の中。「暇だから」という理由でノートパソコンの初期設定中。これと、グローバル通話機能付きボンゴレ特性の携帯電話をザン兄(このイタリア滞在中にいつの間にかこんな呼び名になっていた)にプレゼントされました。・・・五歳の子供に与えるものか?とも思ったけどありがたく貰っといた。帰ったら正ちゃんにカスタムしてもらおっと。

リング戦複線(え)。
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