目覚めればマフィアの十代目 日常編uno
「ただいまー。」
「あらちゃんお帰り。今日はどうだった?」
「んー、特に何もー。」
そう言いながら部屋に向かおうとすると、思い出したように母さんの言葉が続く。
「そうそう、今日家庭教師の先生が来ることになってるからね。」
・・・キタ。と言うか当日に言うか普通。・・・突っ込み禁止か。
「家庭教師?」
「そう。ポストに面白いチラシが入っててね。『お子様を次世代のニューリーダーに育てます 学年、教科は問わず リボーン』。素敵でしょ?こんな謳い文句見たこと無いわ。」
・・・だろうね。というかうちの母さんは人を疑うということを少し覚えたほうがいいと思う。
「ちゃん、成績は悪くないけど、国語と社会と英語は苦手でしょ?しっかり見てもらいなさいな。」
「・・・うん。そうする。」
そう言って俺は部屋の扉を開けた。
「ちゃおっス。」
パタン
あ、思わず閉めちゃった。知ってるとはいえ二足歩行で流暢に挨拶してくる赤ん坊が居たら現実逃避もしたくなるわー。
「・・・はぁ。」
覚悟を決めて扉を開けたら、
チャキ
「人の顔見て扉を閉めるなんざいい度胸してんじゃねーか。」
「悪かったね。普通二足歩行で流暢にしゃべる赤ん坊が居たら現実逃避もしたくなるよ。」
そう言って鞄をベッドに放り投げて腰掛ける。
「で、君が俺の家庭教師のリボーン?」
「あぁ。だがただの家庭教師じゃねぇ。お前を立派なマフィアのボスにするため、九代目の依頼で来た。」
「・・・そか。」
気合入れていかなきゃなー、と伸びをすればリボーンはちょっとあっけに取られたようにいう。
「・・・お前、何も疑問に思わないのか?」
「あれ?九代目から聞いてない?まぁいいや。七年前、イタリアに行ってザン兄と九代目に認められた時点でいつかこうなるとは思ってたし。」
なんて。本当は”前世”に読んだから”知っている”せいで”原作”は常に変化してきている。必ずしもそのとおりになるとは限らないけどね。
「・・・お前・・・、」
リボーンは何か言いたそうにして、やめた。俺はそれに首をかしげて、
まーいーや(←考えるの放棄)。
だってめんどくさい(おい)。
「とにかく。これからよろしく、リボーン。」
「あぁ。ねっちょりしごいてやるぞ。」
ニヒルな笑みを向けられた。
・・・ねっちょりは嫌だなぁ・・・。