目覚めれば暗殺部隊のボス tre

が部屋に戻った後、残された九代目は大きく息を吐いた。
「・・・テュール。」
「はい。」
「君に・・・あの子の家庭教師を頼みたい。」
「・・・私に・・・ですか。」
特殊暗殺部隊の隊長であり”剣帝”と呼ばれる男―テュール―は九代目の隣で首をかしげる。
「理由はどうあれ、あの子はこの世界へと足を踏み入れてしまった。この私の子ということで命を狙われることもあるだろう。あの子は聡い子だ。あの瞳は自分の置かれた立場を理解している。だから、あの子に知識を、術を与えてあげておくれ。その身と、いつか大切な者を守れるように。」
その真剣な声音に、テュールも断る理由も無く、静かに頷く。
「解りました。では、明日からでも。」
「あぁ、ありがとう。頼んだよ。」

一方。そんな会話が九代目と剣帝テュールとの間でなされているとは知らない(誰か家庭教師なりで付くとは思っていたけど)俺は、メイドさんと一緒に最初に連れてこられた部屋に戻ってきていた。

様・・・とお呼びしてもよろしいでしょうか。」
パタン、と扉が閉まったのを確認してメイドさんから声がかかる。
「・・・公の場で、その名を呼ばないのだったら。」
黒猫のぬいぐるみを抱きしめたまま(気に入った)振り返ったらメイドさんはなんだか嬉しそうだった。・・・なぜ?
「ありがとうございます。私、様付のメイドとなりますアメリアと申します。身の回りのお世話につきましては私に一任されておりますので何なりとお申し付けください。」
・・・なるほど。このメイドさん、基アメリアさんも俺的”身内”に入るわけか。・・・うん。この人は信用できる。この世界に生れ落ちてから身に付いた超直感がそう言ってる。
「・・・よろしくアメリア。」
此処に来てからずっとこわばっていた表情筋を少し緩める。
「・・・か・・・、」
「か?」
可愛いです――――――――!
なんか叫ばれた上に抱きつかれた。・・・俺、可愛く無いぞ?
テュールさん超捏造。すいませんごめんなさい完全に闇猫の趣味です・・・!
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