目覚めれば”LOST”
「ねぇねぇ、は好きな人っていないの?」
「は?」
思わず間抜けな声が漏れた。
俺の現在地、トシマ中立地帯にあるビルの屋上。リンやケイスケ、おっさんも交えての食事中だ。そこで落とされたリンによる爆弾。俺だけでなく隣のケイスケも固まっている。…何故顔が赤いのか謎だが。っていうか前世で見てたのとキャラちがくね?と思ってしまうのは仕方ないと思う。
俺には前世の記憶がある。それどころか前々世の記憶まであるからややこしいことこの上ない。因みに前世は前々世で大好きだった某マフィア漫画の主人公ポジションでした。…盛大に突っ込みたい。そして今はこれまた前々世で見ていたアニメの主人公ポジション。しかも作品がBLゲームをアニメ化したものだ。うん、本当に突っ込みどころしかない。知識がアニメのみだったせいか自分が『アキラ』だと気づいたのは冤罪でトシマ送りにされてから。…幼なじみが『ケイスケ』とか『Bl@ster』とか二つ名が『LOST』の時点で気づけよ自分。ただ性別はそのまま女ですが。さらにいえばか前世の魂の記憶とでも言うのでしょうか。身体能力と死ぬ気の炎は絶好調ですが何か?
「でっ!毎回僕のプロポーズを断ってくれるは好きな人は居ないの?!」
「お黙りマセガキ。こんな所で色恋ほざいてる余裕なんかないわ。」
「えー。」
「えーじゃねぇよ。」
そう。この金髪碧眼美少年リン君は初対面でいきなり、
『僕のお嫁さんになってください!』
と叫びやがりました。速攻で断ったけどね。意味わかんない。
「でもってあんまりそういうこと興味無いよね。告白されても問答無用で切り捨て?」
「…………俺なんかより美人はいくらでもいるのになんで俺なのか理解に苦しむ。」
あーやっぱソリドはオムライス味が一番うまい。
「あはは。じゃあ逆にの好みの男ってどんなんだよ。まさか女が好きとかじゃあねぇんだろ。」
「あたりまえだ。かわいい女の子は目の保養だし世界の宝だし大好きだけど恋愛対象はちゃんと男だ。」
そんな特殊な性癖持ってねーよおっさん。
おー悪かったな。
全然悪かったと思って無いな。
そんなやりとりをしてふと視線を動かせばなんかキラキラした目でこっちを見ているリンとケイスケ。…何を期待してやがるんだ。そして三つくらい向こうのビルから感じる視線が痛い。ストーカーかあの黒づくめ。てかそこまで気づけてしまう自分の感覚が恨めしい。
「んじゃどんなのが好みなんだ?」
「…………………年上。」
特に精神的に。
そう言うとリンとケイスケが微妙に凹んだ。うざいなこの二人。そして黒づくめがなんか拳握りしめている気がする。こんな時ばっか絶好調だな俺の超直感。
「なるほど。じゃーおいちゃんとかどーよ。」
「んーまぁ範囲内?」
こてん、と首を傾げたらちょっと寒気がした。…まじで何がしたいのかわからない。
それから、リンとケイスケがやたら無理に大人っぽくなろうとしていたり、さらにシキによるストーカーが悪化したりした。まじでこいつら何がしたいんだ。
ジャンピング土下座ぁぁあああああああ!
もう本当にすいませんごめんなさい申し訳ありません石は投げないでえええええええええええ!
アキラ成り代わりというネタをいただき、アニメのみのすごく偏った知識で書いたらおかしなことになったすいません!
そしてうちの成り代わり主。みんな女の子。…
ただの乙女ゲームじゃねぇか…!
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