Green and Blood〜act10〜

二回ほど時間帯が経ったころ。
「・・・なぁ、アリス。あれ・・・止めなくていいのか?」
銃撃戦まで始まってしまった喧嘩を指差せば、
「あぁ、あれはいいんだよ、お嬢さん。いつものことだ。」
「うぉわ!」
「あら、ブラット。」
声のしたほうを振り向けば、いつからそこにいたのか妙なデザインの帽子をかぶった青年。
「ところでこちらのお嬢さんはどなたかな?紹介してくれないか?」
「無視かよ。」
こいつもゴーイング・マイ・ウェイだ。と思いながらも、だいぶ慣れてきた。慣れてきたが、
「・・・疲れるなぁ・・・。」
「大丈夫ですか?お嬢様。」
「あ、うん。」
心配そうに見上げてくるは苦笑してみる。
「で、お嬢さん、お名前は?」
「あ、うん。僕は。こっちは。『余所者』らしい。よろしく。」
「よろしく、お嬢さん。私はブラット=デュプレ。この屋敷の主だ。」
こっちがだるだる〜っと挨拶を交わしている間も、まだ双子とエリオットは銃撃戦を繰り広げている。
「・・・ブラット・・・さすがにそろそろ止めたほうがいいと思うわよ?」
さすがにそろそろやめさせたほうがいいと思ったアリスが視線は銃撃戦に向けたままでぼそりと呟く。
「・・・そうだな・・・。そろそろいい加減にやめさせたほうがいいかもな。」
「私達はそろそろ次行きましょうか。」
「そうだな。」
「おや、もう行ってしまうのかい。お嬢さんたち。お茶会に招待しようと思ったのだが。」
残念そうにだるだると言うブラット。また来ると言ってアリス・の三人は帽子屋屋敷を後にした。
次に目指すはハートの城。

オマケ
「「あ!お姉さんたちがいない!」」
「え!」
「お嬢さんたちならとっくの昔にハートの城へ行くと言って出て行ったよ。」
「「えー!」」
「お前らのせいだぞ!」
「「ひよこウサギのせいだろ!」」
「・・・また来ると、言っていたよ・・・。」
ディー&ダムとエリオットって喧嘩はじめると回り見えなくなるタイプですよね。
back