Green and Blood〜act2〜

「・・・よし。ごめん、お待たせ。」
一度部屋に戻ったは旅行用の巨大な鞄に貴重品やら着替えやらを詰め込んで森へと出てきた。
「すごい荷物ね。」
「いや・・・この扉閉めたら・・・もう部屋に戻れない気がして。」
はそう言って扉を閉め、近くにあった切り株に腰を下ろす。隣には。目の前にはピンクの猫と緑のネズミと『アリス』。
「・・・っと、とりあえず自己紹介しとく。僕はでいいよ。で、こっちが・・・、」
「お嬢様の飼い猫、でございます。」
「私はアリス=リデルよ。」
「俺はボリス=エレイ。」
「俺はピアス=ヴィリエ。」
一通り自己紹介をするとは周りを観察する。
「・・・ところで・・・ここはどこなんだ?」
「森だよ。」
見りゃわかる。
ピアスが怯えてる。
「森だってのは見ればわかる。『どこの』森かってこと。」
「もっともな疑問よね。うん。」
「だよな。森だってのは見りゃわかるよな。やっぱネズミは馬鹿だ。」
「ぴっ!」
なんかいろいろ言われてる。
「で。ここは『クローバーの国』。その『クローバーの国』にある『ドアの森』だよ。」
「『クローバーの国』・・・。」
「やっぱあんたも『余所者』だな。」
「『余所者』?」
んー?と考えているとボリスの口からまた聞きなれない単語。
「『余所者』っていうのは、こことは別の世界から来た人間のことを言うみたい。私も『余所者』よ。・・・言い方はちょっとアレだけど。」
アリスの説明になるほど、と頷く。
「で、今度は私が質問していい?」
「ん?どーぞ。」
自分の置かれた状況を頭の中で整理していると今度はアリスから声がかかる。
「さっき私のことを『アリスみたい』って言ったでしょ?どういうこと?」
あー、そういうこと。という顔では頷き、話し始めた。
最初は森の仲間達から(笑)。
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