Green and Blood〜act28〜
――夢を見た――
父も母も兄もいる。
みんな楽しそう。笑っている。でも僕はこれが夢だと知っている。
―モウ コンナ フウケイ ハ アリエナイカラ―
あれ?
なぜそう思ったのかわからない。これが夢だということはわかっている。でも帰れば・・・仕事でほとんど帰ってこないが、褒めて褒めて褒めまくる。・・・叱ってくれない両親と、優しい兄が待っている。
兄様は僕の目標。強くて優しくて・・・兄様に追いつきたくて・・・。
『。お前はもうすぐ、俺から離れていくな。』
『なぜ?僕はまだまだだよ。僕は兄様を超えるまで、一緒にいる。』
『それでもいつか、俺の元からいなくなる。離れていく。それはそんなに遠い未来の話じゃない。』
『そんなのまだ先だよ。それに、離れても、僕が兄様の妹だってことには変わりが無いんだから。永遠の別れってわけじゃないんだから。』
『ははは。そうだな。はずっと俺の妹だ。永遠に、かわいい妹だ。』
―あぁ、いつだったんだろう・・・確かにこんな会話をした記憶がある―
帰らなきゃ・・・。
夢の中で呟く。
ドコヘ?
夢の中のもう一人の自分が訊ねる。
―ドコヘカイエルトイウノ?ワタシニハカエルトコロナンテナイノニ―
―そんなことない。僕には帰るところが・・・―
あれ?
ふと、思う。
”ワタシ”?
”ワタシ”って誰?
混乱する頭で考える。
――
『兄様。』
―ユルサナイ―
「え?」
―ユルサナイカラ―
「兄様!」
は自分の声で目が覚めた。寝巻きは汗でびっしょりと濡れている。
「お嬢様・・・。」
隣には心配そうに自分を見つめるの瞳が月の光を受けて輝いていた。
「・・・大丈夫・・・大丈夫・・・だから・・・。」
ギュっとを抱きしめ、心の中に残ったモヤモヤを無理矢理振り払おうとした。
自分で書いてて意味が解らないという罠(爆)。
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