Green and Blood〜act3〜
は『アリス』について話し出す。
「僕のいた世界にはね、『不思議の国のアリス』っていう童話があるんだよ。その主人公の女の子がアリス、君みたいな恰好なんだ。」
「・・・へー。」
「ただし、童話の主人公は五歳の女の子だけどね。」
そう言ってが苦笑すると、アリスも苦笑する。
「どんなお話?」
「ん?んー、ある日庭の木陰でうとうとしてたら服を着て時計を持った白兎が目の前を通り過ぎたんで、好奇心で追いかけてみたら穴に落っこちてたどり着いたのが不思議の国でした、みたいな?」
そこまで説明するとアリスの眉間に皺がよる。
「どった?アリス。」
「・・・いえ。私の場合、この世界に来た方法が・・・変態白兎男に拉致されて穴に落ちてたどり着いたのがワンダーランド・・・って感じだったから・・・。」
「それは・・・。」
ご愁傷様。と合掌。
「それで、続きは?」
「んーと、変な薬やお菓子なんかを食べて大きくなったり小さくなったりしながら、芋虫に謎の助言をもらったり、チェシャ猫に道を聞いてみたり、イカレ帽子屋と三月兎とネムリネズミの終わらないお茶会に巻き込まれたり、ハートの城の女王様とクロッケー大会やったと思ったら、なぜかハートのジャックの裁判に証人として呼ばれちゃったりというハチャメチャストーリー。」
そこまで話してアリスの顔を見るとなんだか引きつっている。
「・・・またどうした・・・。」
「いえ・・・なんていうか・・・この世界から銃撃戦を取り除いたらそんな感じかな?って・・・。」
「じゅ・・・!」
はアリスの言葉に目を丸くして絶句する。そして、
「俺、チェシャ猫。」
「俺、ネムリネズミ。」
「は?!」
また絶句。
「あー・・・ちなみにね、イカレ・・・てるのかは分からないけど、『帽子屋』と『三月兎』もいるわよ。この世界。」
「引きこもりな『芋虫』とハートの城に「首を撥ねろ」が口癖の『女王』もいるぜ。」
「・・・マジ?」
わぁお。とビックリして固まる。
「・・・最後は・・・?」
「あ、うん。えーと、お城の兵士がトランプなんだけど、アリスが「トランプのくせに!」って叫んでそこで目が覚めるんだ。不思議の国は夢だったってオチ。」
「・・・そう。」
少し寂しそうに呟くアリスをは不思議そうに見つめた。