Green and Blood〜act31〜
はソファに勢いよく倒れこんだ。
「疲れた――――!」
「お疲れ様です、お嬢様。」
に紅茶を入れてもらい、ほっと一息つく。
「それにしても今回もなんにも決まんなかったねー。」
「決まるほうがまれだな。」
グレイもの入れた紅茶を飲みながら苦笑する。
「わー・・・超意味ねー・・・。」
がっくりとテーブルに突っ伏す。ナイトメアは(精神的)疲労で顔が真っ青だ。・・・もうすぐ吐くな。
「とりあえず、着替えてくるといい。その格好は疲れるだろう。」
「うん。そうするー・・・。」
いつもの着慣れた私服に着替えて戻ってくると案の定ナイトメアが盛大に吐血中。
「・・・ナイトメア・・・病院行けよ。」
「嫌だ。」
相変わらずの即答。ここまで吐血しても病院に行かないとかものすごい根性だなとか、そんな根性は要らないとか思いつつ(ナイトメアに対する精神攻撃)、新しいタオルを渡す。
「・・・君は、意味の無いことは嫌いなのか?」
「は?」
グレイに背中をさすられ、口の周りについた血を拭きながら青白い顔でナイトメアが呟く。ってか脈絡ねぇよ。
「さっき君は、意味がないと、嫌そうな顔をしていただろう。」
「・・・あぁ・・・言ったな。うん。」
着替えに行く前。テーブルに突っ伏して呟いた。
はそんなことを聞いている余裕があるのなら病院行け。仕事しろ。と心の中でののしっておく。
「ぐは!」
あ、また吐血。その様子にはぁ〜と大きくため息をつく。
「別に、嫌いじゃないよ。ただ疲れるだけ。」
血のついたタオルを受け取り、新しいタオルを渡す。
「会合はさ、意味は無いけど『なるべく』諍いごとを起こさないって協定もあるから期間中はいつもよりちょっとだけ平和だし。ほかの領地にいる奴らと会うのも面白い。僕は嫌いじゃないよ。」
そう言って血まみれのタオルをに渡してまた新しいタオルを受け取る。のほうは心得たもので受け取ったタオルを抱えるとそれを洗濯に回すべくランドリールームへと走る。
「そうか。それはよかった。意味の無いものが嫌いだということは、この世界すべてが嫌いだということだからな。」
ようやく落ち着いたナイトメアは少し嬉しそうに微笑んで呟くように言う。
「は?」
「この世界は意味の無いものばかりだ。意味の無いものが嫌いだということは、この世界も、俺たちも嫌いだということだよ。この世界も、この世界の住人も、すべて意味のないものばかり。もちろん、俺も、ナイトメア様も。」
「そんな!!」
グレイの言葉には声を荒げる。
「意味の無いものなんて無い。グレイもナイトメアもこの塔で働いてる奴らも、みんな仲間だし、友達だ。少なくとも俺にとっては、意味のあるものだ。」
「そうか。ありがとう。」
「ん。だから意味が無いなんていうな。・・・さ!また明日から通常業務!しっかり仕事しろよ、ナイトメア!」
パン!といい音をたてて頬を叩き、ナイトメアに向かってビシ!と指を突きつける。グレイは笑顔で答え、ナイトメアはまた机に突っ伏す。
いつもの日常が戻ってくる。