日本人のススメ

は紅茶のカップを両手で包みながら眉間に皺を寄せていた。
「・・・どうしました、お嬢様。」
「どうかしたのか、。」
紅茶のポットを持ったと、正面で一緒にお茶をしているグレイにダブルで心配されてしまった。因みにナイトメアはそこで泣きながら書類と格闘中だ。
「・・・んーいやーただちょっと・・・。」
「ちょっと・・・?」
「緑茶にしょうゆせんべいとか白いご飯に味噌汁とか魚の煮付けとか肉じゃがとか恋しいなーと。」
「は?」
「あぁ、そうですねー。この世界ではパンやスープに紅茶に洋菓子がほとんどですものね。」
グレイは何の話かわからないといった顔をし、は納得した顔だ。
「や。俺がもと居た世界の、住んでいた国の食べ物とかだよ。この世界では材料手に入らないかなー。」
そう言って紅茶を一口。
「別に元の世界に帰りたいとかは今更思わないけど・・・やっぱちょっと慣れ親しんだ味が恋しいというかなんというか・・・、」
ちょっと眉間に皺を寄せたグレイにフォローするように苦笑する。
「・・・手に入るぞ、それくらい。」
「・・・どっから聞いてた。っていうか進んだの、書類。」
「ぐ・・・!わ、私だってがんばっているんだ・・・!」
「はいはい。解ったから。で、手に入る、って何が。」
相変わらずなやり取りをしてから本題に入る。うん。いつものこと。
「だから、君が言っていたリョクチャやらショーユセンベイ、白いゴハンなんかの材料だ。」
「マジで?」
言った本人もびっくりだ。
「あぁ。この国のことで私が知らないことは無い。」
なんか偉そうだ。
「なんなら今すぐにでも案内し「なくていいから書類が雪崩起こす前に片付けろサボろうったってそうはいかないからな。」
「鬼!」
・・・いつものことー・・・。

材料が手に入ったらうまいものを作ってやると約束して場所を教えてもらい、はグレイと共に買い物に出ていた。はナイトメアの見張りだ。
「えーと・・・ここを右・・・あ、ここだ。」
なんだかうきうきしている。
「そんなに嬉しいか。」
「うん。こないだも言ったけど、やっぱ慣れ親しんだものだからねー。」
嬉しそうに店の扉をくぐるの後をグレイも微笑ましく思いながら付いてく。

店から出てきたの腕には大量の食材やら和菓子やらが抱えられていた。ついでにグレイも荷物持ちである。
「♪白いご飯〜お味噌汁ぅ〜肉じゃがに青菜のおひたし出汁巻き卵ッ♪」
歌ってるよ。こんなにテンションの高いも初めてだ。
「そーだ!アリスも呼ぼうvいいよね、グレイ!」
「あぁ。君の好きなようにするといい。」
「やたv」
普段見せない子供のようなにグレイの表情も緩む。
「さー早く帰ろ!」
嬉しそうなに荷物を抱えた腕を引かれ、二人は塔へと戻った。

白いご飯に豆腐とワカメの味噌汁、ほうれん草のおひたし、肉じゃがに鯵の塩焼きを始終幸せそうに頬張り、デザートに用意してあった水羊羹と緑茶で一息。
「〜〜〜〜はぁ〜〜〜・・・幸せ〜v」
本当に幸せそうに羊羹を頬張るに招待されていたアリスも楽しそうに笑う。
「ふふ、本当に嬉しそうね。」
「うん!超幸せ!」
緑茶を一口。
「そんなに喜んでもらえるならまた菓子くらいなら買ってこよう。」
「本当!?ありがとうグレイ!」
「ちょ!教えたのは私だぞ!
「あぁ、うん。マイトメアもありがとー。」
「心がこもってない!うぅ・・・私は偉いのに・・・!」
「「・・・。」」

おすそ分けと言ってアリスが料理と一緒に持って帰った緑茶にブラッドが妙に興味を示したのは意外だった。
外国で日本食が恋しくなるのと同じようなノリ(爆)。闇猫は外国行ったこと無いけどね!(おい)。
ブラッドは緑茶に嫌悪感丸出しにしてもらうか興味津々になってもらうか迷ってこうなりました。まぁ、緑茶もストレートティーという感じで(おおざっぱ)。
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