in 姫君達の晩餐

あぁ、現実逃避がしたい・・・。

俺は目の前に広げられた色とりどりのドレス+それを持ってとてつもなくいい笑顔な三人の女性に回れ右して全力でむしろ死ぬ気で逃げようとしたが、
「・・・すまん・・・。」
「ひ・・・広兼・・・!」
「珀蓮に逆らうと後が怖いしね。」
「鳥代・・・!」
「大人しく僕の新祢の着せ替え人形になってねv」
「王伊てめぇもうちょっとオブラートに包めや!」
三人の正真正銘本物の王子様たちに拉致され、逃亡は叶いませんでした・・・!

「さ、vめいっぱい着飾って差し上げますわ!」
「珀蓮・・・!ちょ・・・目がマジ・・・!」
ずいっとドレスを持って迫ってくる東の国の王子鳥代殿下の婚約者にして北の国の王女様である珀蓮(通称『白雪姫』、ただし性格はおとぎ話の白雪姫とは似ても似つかない←かなり失礼)に軽く引く・・・!
「珀蓮、妾ははこちらのほうが合うと思うのだが。」
「新祢!?」
隣じゃ西の国の王子である王伊の婚約者、亡国の王女、新祢姫(通称『茨姫』、なんつーか言動が超かっこいい)が一緒になってドレスやアクセサリーを選び中。
「ちょっ!早苗!助けて!」
もう一人、南の国の王子、広兼の婚約者にして東の国の商家のお嬢様、早苗(通称『シンデレラ』、なんか素敵に男前なんだよね・・・!)に助けを求めてみるが、
「あら、私はこちらのほうが・・・、」
あんたもかー!
俺に味方は居なかった・・・!
「そもそもなんでこんなことになってんの?!今日は広兼の兄弟の・・・誰だっけ?まぁいいけど、誰かの誕生会でしょ?俺より三人のほうがドレスとか選ばないといけないんじゃないの?!」
抵抗しても無駄なことはわかっているけどささやかな抵抗ぐらいはさせて・・・!
「えぇ、私達もですけど、、あなたも護衛として私達と行動していただくんですから。」
聞いてないけど!?
「言ってませんもの。」
平然と言ってのける珀蓮にちょっと脱力。
そーでした。この人はこういう人でした・・・。
「ってだからってなんでドレス!?護衛で連れてかれるのは10000歩くらい譲ってよしとしてもなんでドレス!?普通にいつものかっこでいいじゃん!!」
「護衛が護衛ですという格好では面白くないでしょう?」
「そこ面白みを求めるところ?!」
「それに、剣を持った王伊に素手で勝ったあなたですもの。動きに制限のあるドレスを着たくらいで戦闘力が落ちるなんてことは無いでしょう?」
そーですね!
もーやけくそ・・・!

結局。嬉々としてドレスを選ぶ三人に着せ替え人形にされた挙句、パーティにも連れて行かれた。幸いにも護衛としての役目を果たさなきゃいけないような場面には遭遇しなくてすんだけど。

(帰りあたりに盗賊でも出るかと思ったのですけど・・・残念だわ)(うむ。妾もの大立ち回りは見たかったな)(まぁ、それは素敵ですね)(ちょ・・・あんたら・・・!)(((・・・。)))

赤い森に落とされて、たまたま居合わせちゃった姫+王子達に見つかって王伊あたりに喧嘩売られて(え)勝っちゃって、珀蓮に気に入られて護衛ということになるけどいろいろとおもちゃにされてたりするという。そんなめちゃくちゃ設定。時間軸捏造のため夜花不在(爆)。
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