初めてのお使い[1]
「はー・・・じゃ、ちょっと行ってくる。」
「あぁ、気をつけて行ってきなさい。」
「ー、行くぞー。」
「はい、お嬢様。」
との『初めてのおつかい』です。
「えーと、あとこれとこれ・・・城と帽子屋に持って行かなきゃいけない書類なんだけど・・・。」
の手には書類の束。
「あぁ、それなら部下に持っていかせよう。」
「・・・殺されない?」
あの『マフィア』と『城』。仲間内でさえ銃撃戦をおっぱじめたりするこの世界のこと。有力者である『塔』の関係者(しかも下っ端)が行ったら殺される。
「・・・あぁ・・・まぁ・・・行った部下が帰ってこないのはよくあることだ。」
「そんなさらっと言うなよ。」
書類を持ったままうっわーっと唸る。
「・・・僕が行く。」
「「は?」」
ナイトメアとグレイの声がハモッた。
「・・・ナイトメア・・・生きてたんだ。」
「失礼なことを言うな。私は不死身だ。」
「吐血しまくりで今にも死にそうな奴が何を言う。」
ナイトメアに突っ込みを入れつつ、すでに書類をそれぞれまとめて出かける準備をしている。
「本当に君が行くのか?」
「うん。ずっと塔の中にいたし。外にも出たいし。」
にっこり笑いながら既に準備万端。
「はー・・・じゃ、ちょっと行ってくる。」
「あぁ、気をつけて行ってきなさい。」
「ー、行くぞー。」
「はい、お嬢様。」
とは塔を後にした。