初めてのお使い[2]
「んー、まずは・・・城かな。行くよ。」
「はい。」
とは眉間にシワを寄せていた。
理由は目の前。
城の兵士とマフィアの構成員のバトルである。それをニコニコと(胡散臭い)笑顔で眺めている腹黒騎士。
「・・・僕たち城に行ってビバルディに会いたいんだけど?」
「うん。俺も城に戻りたいんだ。」
「だったらあれをどうにかしろ。」
「あはは。無理。」
「ざけんな。」
キン
振り向きざまに日本刀を振り下ろす。
最近気づいたことだが、がいつも身に着けている木刀は望めば真剣に変化させることができるらしいのだ。
「あは。女の子がそんなもの振り回しちゃ駄目だろー?」
「男尊女卑的な発言禁止。」
ギリギリと刃を付き合わせる二人。
「お嬢様。早く済ませませんとグレイ様に怒られますよ?」
「あぁ、わかってる。」
そこはナイトメアじゃないんだ、という突っ込みは無しの方向で。
「・・・何してるの?」
「あ、アリス。」
そんな状態がしばらく続いた後、声のするほうを振り向けばこれまた眉間に皺のよりそうな顔をしたアリス。
はその姿をみとめるとエースの剣を振り払い、アリスに駆け寄る。
「久しぶり。アリス、元気だった?」
「えぇ、も。・・・ところで・・・これは何?」
未だに銃撃戦中の兵士と構成員。ニコニコと胡散臭い笑顔のエース。
「・・・うん。ビバルディに書類届けに来たんだけどさー・・・何故か道のど真ん中で銃撃戦始まっちゃってて通れないんだよねー。そこの腹黒性悪騎士は胡散臭い顔で♪み〜て〜る〜だ〜け〜♪な状態だし。」
「あはは。ひどいなー、俺腹黒でも性悪でもないぜ?」
「その胡散臭い笑顔で十分腹黒性悪確定だ。」
これ以上近づくなといわんばかりに日本刀を突きつける。
「とにかく僕は城に行きたいんだけど・・・!」
「じゃぁこっちから行きましょ。私が連れて行ってあげるわ。」
「まぢで!ありがとうアリス!愛してる!!」
勢いよく抱きつけば顔を真っ赤にするアリス。
「///!じゃ、じゃぁ行きましょ!」
「?ん。、おいで。」
「はい。お嬢様。」
「んー、そのお嬢様っていうのやめてほしいんだけどなぁ(苦笑)。」
「あれー?俺ってば無視されてるー?」
とかなんとか言ってるエースを無視して三人は城へと向った。