初めてのお使い[4]
エースから解放されてようやく帽子屋についただったが、
「わーい!お姉さんだー!」
「僕たちに会いに来てくれたんでしょ!そうでしょ?!」
「いや、僕は書類を届けに来ただけで・・・。」
「「えー、遊ぼうよー。」」
「はぁ・・・。ー・・・助けて・・・。」
「申し訳ありません、お嬢様。私には無理です。」
ディーとダムにつかまっていた。
門の前で二人に捕獲され、両側からがっちりとつかまれ、ずるずると屋敷内へと引きずられている。
どこにそんな力があるのかというぐらい強い力でつかまれているため、振り払うこともできない。
「・・・なぁ、ディー、ダム。とりあえず仕事をさせろ。この書類をブラッドに届けたいんだけどー。」
「「えー、そんなことより遊ぼうよー。」」
「いや、そんなことでもないんだけど?」
苦笑しながらどうしようと考えながら双子に引きずられるに救世主が。
「くぉら!またサボリやがって!仕事しやがれ!!って、、お前何してんだ?」
「エリオット・・・助かった・・・ありがとう。」
両側からかかっていた力がふっと軽くなったと思って振り向けば、双子の襟首を子猫よろしくつまみ上げているエリオットの姿。
「えっと、ブラッドいる?書類届けに来たんだけど。」
「あぁ、ブラッドなら・・・、」
「私がどうかしたかな?」
「うぉう!」
噂をすればなんとやら。いきなり現われたブラッドに変な声再び。
因みに双子はいまだエリオットにぶら下げられた状態で暴れている。
「お嬢さんがそんな声を出すものじゃないよ。」
相変わらずのダルダルオーラを撒き散らすブラッドに苦笑する。
「服が伸びる!離せー!ひよこウサギ!!」
「そうだそうだ!!弁償だー弁償ー!」
「だー!!うるせぇ!俺はウサギじゃねぇ!」
「・・・賑やかだねぇ・・・。」
「まったくだ。」
本当にそう思ってんのかよと突っ込みを入れたくなりそうなぐらいのダルダルオーラ。
「まぁいいや。はいこれ。次の会合までに目通しといて。あとサインね。」
「・・・うむ。わかった。」
から書類の封筒を受け取り、やる気があるのかないのかわからない声で返事が返ってくる。
「よし。じゃ帰ろっか、。」
「はい。」
「待ちたまえ。」
「ぐえ。」
襟首をつかまれた。思わずカエルが潰れたような声を出してしまった。
「お茶会をしよう。君も参加していきたまえ。」
出た。ゴーイング・マイ・ウェイ。
「離せ。まだ仕事残ってんだ。ナイトメアも見張ってないといけないし(サボるから)。グレイにも早く帰って来いって言われてるし。」
襟首をつかまれて動けない状態で言う。
「ほう。お嬢さんは仕事熱心だな。」
「溜め込むのが嫌いなだけだよ。だから離して。」
振り向いて睨めば肩をすくめて手を離してくれた。
「しかたないな。またの機会にするとしよう。」
はホッして肩をなでおろす。
「それじゃ僕はこれで。、帰ろ。」
「はい。お嬢様。」
二人は屋敷を後にした。エリオットと双子がそれに気付くのは三十分後。
「ーvv」
「だー!近づくな!!変態ストーカー!!」
バキャ
「グフゥ・・・フフフ・・・愛・・・これがの愛のカタチなんですね・・・vv」
「キモイ!!」
帰り道。なぜかペーターと遭遇し、足止めを食らった。
エリオットとディー&ダムは喧嘩しかしてない・・・(苦笑)。
ペーターの扱いが酷いのも愛です(え)。
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