あにまる☆まーち

授業が終わって教室を出ようと思い、ドアを開けたら、チカ兄さんが物凄いスピードで目の魔を横切っていった。一瞬固まっちゃったけど、あぁ・・・と原因を思う。
「(また光邦兄さんとこかなー・・・)。」
何度か訪れたことのある無駄にキラキラした空間を思い出してちょっと眉間に皺が寄る。
「(・・・今日は帰ったら稽古に付き合ってくれるって言ってたの覚えてるかなー・・・)。」
と思いながら明らかに高校生に見えないウサちゃんとケーキ大好きな上の兄と、テンションとしては上の兄とは正反対ながらヒヨコが好きというやっぱりどこかで似ているところもある下の兄とがバトルをおっぱじめるであろう上の兄の部活の活動場所である、南校舎最上階、北側廊下突き当たり第三音楽室へと向かった。

音楽室の前について一つ深呼吸。
「・・・しつれーしまー『いらっしゃいませ。』・・・出た。」
思わず本音が(←あ)。
「おや、君ではないか。どうしたんだい?」
「・・・いえ。そこで子猫が威嚇しあうが如く(一方的に)睨みあっている二人の兄の下のほうを回収しに。」
・・・まーよーするにほほえましいとしか言いようもない光景であるということで。
「今日は稽古の相手をしてもらう約束なんです。」
「それは大変だね・・・(苦笑)。」
「いえ。こちらこそ、いつも兄達がご迷惑を。チカ兄さーん、帰るよ!相手してくれるって約束だろ!」
ようやくっていうか今気づいたって顔で同時にこちらを振り向く二人の兄の顔は素晴らしいぐらいに正反対で。そりゃもう、ものの見事に!
「あー、君だーv」
「・・・・・・。」
「光邦兄さん。花飛ばさないでください。チカ兄さん。そんなあからさまな顔しないでください。」
約束したのはあんたでしょう。
と言いながら二人に近付いてチカ兄さんお襟首を掴んで引きずる。・・・兄弟の仲で僕が一番大きいんだよね。末っ子なのに。
「こら、離せ!」
「いやです。離したら兄さん逃げるでしょ。それではお騒がせしました。」
深々とお辞儀をしてなんだかまだ騒いでいる兄さんの鳩尾に一発入れて黙らせて(え)連行。

帰った後気づいた兄さんは鬱憤を晴らすかのごとく物凄い勢いで暴れて父さんに怒られていた。・・・我が兄ながらどうかと思う。
これ一番最初に出来上がってたのにUPするの一番最後とか何!?(しらねぇよ)。
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