魔王の妹は魔女

・・・行きたくない・・・行きたくないですけど!・・・いらっしゃらないお兄様が悪いのです・・・!

南校舎北側廊下突き当たり第三音楽室。その扉を開ければお兄様がいらっしゃいます。・・・私、ここ苦手なんですけどね・・・。覚悟を決めて扉を開けるとそこは・・・
いらっしゃいmお兄様!
ホスト部の皆さんの声を遮ってお兄様―鳳鏡夜―にまっすぐ近寄ってにーっこり、
「ああ。どうしたんだ?」
「”どうしたんだ?”じゃありません。今日のご予定お忘れですか?」
漫画かアニメでしたら私のバックに「ふざけんじゃねぇぞこのやろう」とでも文字が浮かんでいそうですね。ふふふ・・・。
「もうそんな時間だったか。すまなかったね、(黒笑)。」
「・・・わかっててやってますね、お兄様。私がここ苦手だって知ってて迎えに来させてますよね?」
「そんなことはないさ。ただ、こうやってかわいい妹が迎えに来てくれるなんて俺は幸せ者だな。」
「そんなこと一ミクロンも心にないくせによくもしゃぁしゃぁと抜かせますわねこの腹黒鬼畜兄貴。」
嫌がらせ以外のなにものでもありません。
それでもお兄様はいつもの胡散臭い(とっても失礼)笑顔を貼り付けていらっしゃいます。
「とにかく早くしてください。お父様にしかられます。」
これ以上の問答は無駄だと悟り、お兄様をせかすと部長の環先輩(以前須王先輩と呼んだら泣かれてまじめにウザかったです)に声を掛けて、一緒に車を待たせている場所へと向かいます。

今回は何とか叱られなくて済みました。
ソレはいいんですが、毎回毎回私以外が迎えに行くと笑顔で迎えの使用人を追い返して胃潰瘍にするのやめてください。私も胃に穴が開きそうです。
この二人は笑顔で背中に真っ黒オーラ背負ってバトルんです(笑)。
back