「森乃塚崇!覚悟!!」
素直になれない
バシ!
「「あ、先輩だ。」」
向こうから常陸院の双子の声が聞こえるけど無視!
あたしの目的は打倒!森乃塚崇よ!!
「ちゃんも大変だねー。」
「・・・毎日毎日ご苦労様ですね。先輩。なんでそんなにモリ先輩のこと倒したいんですか?」
崇に竹刀を抑えられているあたしに向かってハルヒ君は無邪気にそんなこと聞いてくる。
「あたりまえよ!」
あたしはいったん竹刀引いてハルヒ君に向き直り、説明を始める。
「我が家は武道一家。モットーは『男女共に強くあれ』!小さいころからあたしもそう教えられてきたわ!だからあたしは、あたしと付き合う男はあたしを倒したやつじゃないと認めないの!なのに!なのに!父上と母上が!あたしの承諾も無しに!この森乃塚崇をあたしの婚約者って!勝手に決めたのよ!」
ビシ!と音をたてそうな勢いであたしは崇を指差す。
「だからちゃんは崇とちゃんと戦いたいんだよね〜。」
「そうよ!そしてあたしをちゃんと倒してからじゃないとあたしは認めないんだからー!」
埴乃塚光邦の補足説明に同意してあたしは叫びながら再び崇に竹刀を振りかざす。
「なーのーにー!」
また竹刀を軽々と止められながらあたしは抗議する。
「崇はー!いつもちゃんと相手もしてくれないんだもの!」
「・・・大切な人に・・・怪我はさせられない・・・。」
ぼそりと呟くように言われた言葉にあたしは一瞬固まってしまった。
次の瞬間あたしはものすごい勢いで体温が上がっていくのを感じた。
「な・・・!何よ!!そ・・・!そんなこといわれたって!!絶対認めないんだからねー!!お、憶えてなさいよー!!」
バン!
あたしは後ずさりをして勢いよく扉を開けて駆け出していた。もー!絶対あたし顔真っ赤だわ!!
「「モリ先輩も言うときは言うねー。」」
「ちゃんも本当は崇の事好きなんだよねー。」
「素直じゃないんですね。」
「・・・。」
なんて好き勝手言われてたりすることをは知らない。