幼馴染と竹刀とケーキ
崇と一緒に素振りをしていると、三回に一回は光邦に邪魔される。というのが幼い頃からのお決まりごとだったけど、いい加減そろそろ落ち着いてもいいと思うんだよね。
タタタタ・・・
今日も崇のとこの道場で素振りをしていたら廊下から聞きなれた足音がして、あたしと崇は顔を見合わせて竹刀を振るう腕を止める。視線で合図をして市内を片付けると、タイミングを見計らったかのように部屋の向こうから声がかかる。
「崇ー!ちゃーん!」
「あーはいはい。どーぞー。」
そう声をかければ襖が開いてそこには満面の笑みの光邦の姿。
「崇、ちゃん、お稽古終わりー?」
「あぁ。」
崇が短くそれだけ返事をすると、ますますいい笑顔になる光邦に、次に来る言葉が予測できてしまう自分に苦笑する。
「じゃーさ、じゃーさ、僕のところで一緒にケーキ食べよーv」
あぁやっぱり。
予想通りな一言に思わず崇と顔を見合わせて苦笑してしまう(崇の表情は分かる人にしかわからない変化だけど)。
「どーするよ、崇。」
「が行くなら。」
「じゃ、決まり。」
光邦に向き直ってにっこり笑いかければそれだけで通じたらしく、光邦はパアッと花を飛ばしてかけ戻っていった。
「さて。あたしらも着替えますか。」
「あぁ。」
着替えを済ませて光邦の元へ向かえば物凄い量のケーキが用意されていた(2/3は光邦のお腹におさまるが)。
毎回毎回ちょっと疲れるけど、嫌ではないし、楽しいから、まあいいかと思えてしまうあたり、絆されてるな、と思う今日この頃だったりする。
ハニー先輩とモリ先輩ver.は一緒でもいいような気もしなくも無い(爆)。
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