逆転・王子と姫
『いらっしゃいまs「環様、お迎えに上がりました。」げ。」
南校舎北側廊下突き当たり第三音楽室。
バン!
と音がする勢いで入ってきた少女――の姿をみとめると、環は思いっきり嫌な顔をした。
そんな環にお構いなしにつかつかと環に近付くと
ガシッ
と逃げようとしている環の襟首を掴むとじたばたと暴れるのも無視して引きずる。
「離せ!!」
「いいえ。めんどくさいからって逃げないでください。旦那様がお待ちです。」
「わかった!わかったから離せ!首が絞まっ!」
ぱっと勢い良く手を離されて顔面スライディング。なんかひくひくいってるけどまぁいつものこと(え)。
「では、行きましょうか環様。早く行きませんと旦那様がウザイです。」
「・・・・・・お前も言うようになったよな・・・。」
「何年の付き合いだとお思いですか?」
「・・・そうだな・・・。」
珍しくちょっとげんなりする環を無視して椿はくるりと教室の中に向き直りペコリと頭を下げる。
「では、お騒がせして申し訳ありませんでした。鏡夜様、いつもご迷惑をおかけします。」
「いや、もう慣れたさ。」
「さ、環様。」
なんだか引きずられるように連行されていく環を見て、
「「・・・いつもすごいよねー・・・。」」
「あの二人は幼馴染だからな。気心も知れているし、あそこの親子があれだからな。しっかりもするさ。」
は次期メイド頭候補らしいしな。
と言う鏡夜の言葉になんだか妙に納得してしまう。
「でも、なんだかかっこいいですねー。」
というハルヒの一言に、お客様であるお嬢様方が騒ぎ出したのは言うまでもない。
須王親子がいろいろと突飛な行動をとってくださるので幼馴染たる主人公ちゃんは物凄くしっかり者になったんです(笑)。
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