君が姫で私が騎士で
カツカツカツ・・・
バン!
『いらっしゃいま「環!!」
「っ嬢・・・!!」
思いっきり扉を開けて入ってきた少女を見た途端、環が固まった。
「ちゃんだーvv久しぶりーvv」
「お久しぶりですね、嬢。あなたがここに来るとは珍しい。何かご用ですか?」
「久しぶり、ハニー先輩、鏡夜君。用っていうかね、そこで逃げだそうとしている環をお借りしてもよろしいかしら?」
「「殿?」」
一斉に視線が環に集まる。後の扉からこっそり逃げ出そうとしていた環は一瞬固まり・・・
「「あ、逃げる。」」
「モリ先輩、捕獲してください!!」
「(こくん)。」
・・・
「は・・・離してくれー!!」
「離したら逃げるでしょ!!」
モリ先輩にあっさり捕まった環はに襟首をつかまれ引きずられている。
「今日はうちの親に連れて来いって言われたの、言ったでしょー!まったく・・・逃げんな!!」
ずるずるずるずるずる・・・と引きずられている環は既に半泣き状態。
「なんでこんなのが私の婚約者なのかしら・・・。」
「え!?先輩って環先輩の婚約者だったんですか?」
「えぇ。ま、”親が勝手に決めた”っていうのが前に付くんだけどね。」
ハルヒの驚きには苦笑する。
「ほら、早く行く!!行かないと私も後が怖いんだから!!あ、それじゃぁ環借りるわ。ごめんなさいね、鏡夜君。」
「いえ、そちらのほうが大変そうですし。環には後でペナルティを科しておきますから。」
「よろしくね。やっぱり鏡夜君は頼りになるわ。どうせなら私、鏡夜君の婚約者になりたかったわ。」
「な!何を言うんだ!」
「冗談よ。ほら、行くわよ!それでは皆さんお騒がせしました。」
ずるずるずる・・・
やっぱり半泣き状態で引きずられる環は同情すらされなかったとか。
次の日、ペナルティを科せられた環が半泣きになっているのをはハルヒと談笑しながら眺めていた。