僕は面白い子だと思うよ?

第十二話〜それぞれのココロ―椎―〜

珍しく壱也兄さんが兄弟全員に招集をかけた。
なんでも『大事なお客』が来るとか。
しかも言っても絶対にこないであろう三笠を僕は迎に行かされた(案の定競馬場にいた)。
全員揃ったところで壱也兄さんから発せられた言葉に僕は一瞬固まった。

『婚約者候補』

そりゃね、行き成り言われれば誰だって驚くでしょう。
なんかうちに商品入れてくれてる食品問屋の娘さんらしいけど。
僕たち六人の中の誰かと結婚させてくれって言われたらしいんだ。
それを承諾しちゃった壱也兄さんも兄さんだけどね。
で、そのこが今日、うちに来るらしいんだ。

やってきたこは精霊を連れていた。一番下の弟と日本の学校で同級生だって話。
ちゃんというその子は明るいこで第一印象は結構いい子だった。

それからちょくちょくとこっちに遊びに来る。
僕が配達や店番をしているとたまに一緒に働いたりもする。

『・・・椎って絶対策士だと思う。』

行き成り言われた言葉に一瞬思考が停止したこともあった。

『見てて思うんだよね。絶対腹黒きゃらだね。椎って。』

『兄弟の中でもなんか、皆のこと観察してるんだよね。実は影の権力者?みたいな(笑)』

容赦ないいいように、少し苦笑する。

『なんか笑顔がブラック?なときがあるんだもん。とくに三笠に対して。』

『でも見てて面白いんだよねー。あたしってさ、自分に害が及ばなければそれでよしな性格だから。つーか人の不幸は蜜の味?』

あははと笑いながらそばを離れる。
そんなちゃんを見ながら、思う。
面白いこだなと。あんなこだったら店に居てもいいかなとふと思った。

椎は絶対腹黒きゃらだと思う(笑)。
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