『婚約者候補』
そりゃね、行き成り言われれば誰だって驚くでしょう。
なんかうちに商品入れてくれてる食品問屋の娘さんらしいけど。
僕たち六人の中の誰かと結婚させてくれって言われたらしいんだ。
それを承諾しちゃった壱也兄さんも兄さんだけどね。
で、そのこが今日、うちに来るらしいんだ。
やってきたこは精霊を連れていた。一番下の弟と日本の学校で同級生だって話。
ちゃんというその子は明るいこで第一印象は結構いい子だった。
それからちょくちょくとこっちに遊びに来る。
僕が配達や店番をしているとたまに一緒に働いたりもする。
『・・・椎って絶対策士だと思う。』
行き成り言われた言葉に一瞬思考が停止したこともあった。
『見てて思うんだよね。絶対腹黒きゃらだね。椎って。』
『兄弟の中でもなんか、皆のこと観察してるんだよね。実は影の権力者?みたいな(笑)』
容赦ないいいように、少し苦笑する。
『なんか笑顔がブラック?なときがあるんだもん。とくに三笠に対して。』
『でも見てて面白いんだよねー。あたしってさ、自分に害が及ばなければそれでよしな性格だから。つーか人の不幸は蜜の味?』
あははと笑いながらそばを離れる。
そんなちゃんを見ながら、思う。
面白いこだなと。あんなこだったら店に居てもいいかなとふと思った。