あたしが落ち着いてお母様と向き合って第一声がこれ。
『婚約者候補の方たちにお会いしたことがない』
つーことは、ひよこ屋の人たちに会ったことがないっつーことで・・・
「お母様、面識も何もない人達をあたしの婚約者候補にしたのですか・・・?」
「ええ。」
即答かよ。
「即答ですか。・・・で・・・お母様。今日のご用件は・・・?」
お母様が自分からあたしに会いに来るときはあたしが頭の痛くなるような用件を持ってくるときだと長年の経験が物語っているのだが・・・。
「ですから、あなたの婚約者候補の方々・・・つまり『ひよこ屋』方々に是非お会いしたいのです。」
「は?」
お星様がスコンとぶつかりましたよ。今。
「なぜわざわざあたしのところへ?・・・お母様が直接会いにいかれればすむことでは・・・?」
するとお母様は相変わらずのブラック・スマイルで言いました。
「私も店の主ですからね。そうそう店を離れることも出来ませから・・・ちゃん。あなたが私のところにひよこ屋の方々をお連れして欲しいのですv店のものにも紹介したいですしね。」
やっぱりそう来たかー!
いやな予感的中。なんかもう涙でてきそう・・・。
「全員を一度にきていただくのも皆さんのご都合もお有りでしょうから・・・そうね、お一人ずつご都合のいいかたからお連れしてくださいね。」
ブラック・スマイル。すでに決定事項のようです。お母様の後ろになんか見えます・・・。
「・・・わ・・・わかりましたぁ・・・(泣)。」
「あぁ、どんな方々か楽しみですわね。」
あたしはちっとも楽しみじゃないよ・・・。
そんなあたしの心境とは裏腹にお母様はとても楽しそうです。
・・・はぁ・・・ほんと・・・なんだかなぁ・・・。