指令再び
・・・また・・・お母様からの指令が出やがりました・・・。
ひよこやの人たちがあたしの婚約者候補になって半年。
休みの日なんかは基本的にひよこやに通っていて、だいぶみんなとも仲良くなった。
んで、今日は土曜日なんで、とりあえず買い出し行って(一人暮らしだもん)、それからひよこやに行こうと思い、食料やら日用品やらを買い込んで家の扉を開ける。
「あら、ちゃん。おかえりなさい。」
バタン!
デジャブ!デジャブが!
思いっきり閉めてしまった扉の前で大きく深呼吸をして、、もう一度扉を開ける。
「ちゃん、そんなに乱暴に閉めたら扉が壊れちゃうわよ?」
・・・目の錯覚じゃなかったのね・・・。
お母様が部屋で茶ぁすすってるしぃ・・・。嫌な予感がひしひしと・・・。
「ちゃん、突っ立ってないで早くお入りなさい。」
「あ、はい。」
つかここはあたしの部屋・・・とか突っ込まないことにしとこう・・・。
あたしは靴を脱いで部屋に入り、買って来たものを片付け、お母様のもとへ。
「お座りなさい。」
「はい。」
あたしはお母様の前に座る。・・・今度は何が飛び出すのかしら・・・。
「ちゃん。」
「はい。」
「デートなさい。」
「は?」
毎回思うけど、本当、お母様の言うことは唐突過ぎて意味がわかりません。
「お母様・・・唐突過ぎです。主語がありません。」
いや、なんとなく言いたいことはわかるんだけどね。わかるんだけど、確認ね?
「ですから、ひよこやの方々と一人ずつデートなさいと言っているのです。」
・・・あぁやっぱり。
「お母様・・・それはまたいきなり・・・。」
ちょっと眉間に皺がよってしまうのを感じて人差し指でぐりぐりと眉間をもむ。
「だいぶ皆さんと仲良くなってきているようですから、そろそろ本格的にどなたと婚約するか決めませんとねv」
ねvじゃねーよ。でも突っ込まない。・・・怖いもん。
「一人ずつデートをして、誰と一番相性がいいか。どなたと結婚したいと思うかを見極めなさい。よろしくて?」
にーーーーーーっこり。あー・・・はいはい。了解しましたー。どーせあたしに否定権はございませんもの・・・。
「よくわかっているではないですか。」
「読まないで下さい。」
つか、そんなにあたしを早く結婚させたいのですかお母様。姉様も兄様もまだなのに。
「でも、お付き合いしていらっしゃる方はいますよ?」
「はぁ・・・そうですか。」
もう、思考を読まれることについて突っ込む気もだいぶうせてきたわぁ・・・。
「あら、つまんない。」
「つまんなくていいです。」
そう言ってあたしは飲み終わった湯飲みを片付ける。
「話は終わりですか?そしたら早く戻ってくださいね。お店、お母様居ないと結構大変なんですから。あたしもこれからひよこやに行ってきますから。」
「あーん。ちゃん冷たーい。」
しくしくとウソ泣きをするお母様は無視。
「では、ひよこやの皆さんによろしくねv」
「はいはい。早く戻ってくださーい。」
お母様が鏡の中に消えるとあたしは大きな溜息を一つ。
・・・まぁたしんどいことが一つ増えたわぁ・・・。
いろいろと面白がっています。お母様(笑)。
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