戦いの幕が上がる
「・・・というわけで・・・またお母様からの指令です・・・。」
お母様が帰ったあと、あたしはひよこやへ行き、壱也さんに頼んでみんなを集めてもらった。
「今度は何を言われたんだ?その顔だとあんまろくなことじゃなさそーだな。」
「あったりー・・・。っつーかもう・・・うちのお母様のわがままには毎回苦労するわぁ・・・。」
皐月に指摘されてちょっと遠い目。
「で、今度はなんだ?」
「んー・・・いい加減婚約者を一人に絞れとのことでー・・・一人ずつデートをしなさいとのことですー・・・。」
『は?』
素晴らしきハモリをありがとう。
「いや・・・デートして、一番相性のいい人を見つけなさいとのことでしてぇ・・・。」
なんて説明していいのかわっかんないもーん。
「ま、要するにお前とデートすればいーんだろ。簡単じゃねぇか。」
安直ー。そーなんだけどさー。
「ん。まー、そんな感じ?で、あたしと一番相性がいいと思われた人がー・・・あたしの婚約者?みたいな。」
あははーと言えば、
「そういえば僕たちちゃんの婚約者候補だったね。」
「そうよー。あたしも忘れてたけど。」
マジで忘れてたわよ。つか、忘れていたかったわよ。
「ってなわけでー、よろしくお願いしまーす。」
あぁ、またいろいろと大変な日々がはじまります。