デート〜椎の場合〜壱
「おはよう。」
「あ、おはよう、椎。」
今日は椎とデートです。
約束の日の朝。さすがというか、椎はヤマトのあたしの家まで迎えに来てくれた。・・・相変わらず爽やかな笑顔だわー・・・。
「で、どこ連れてってくれる?」
「ん、ついてからのお楽しみv」
椎ならば任せても害は無いと思い、今日のデートは椎にエスコートしてもらうことにしてあったので、行き先を尋ねると、椎の不適な笑み。・・・選択間違ったかな・・・。
「ま、期待しててよ。」
にこにこと言う椎。その笑顔が余計に怖いです・・・。
「さ、ついたよ。」
「ここって・・・。」
ついたところは最近出来たばかりの大型遊園地。
「・・・よかった・・・まともで・・・。」
「どーいう意味かなー?(黒笑)。」
「さー遊びまくるぞー!」
ぼそりと呟いた言葉に椎の黒い笑みを向けられてあたしは慌てて遊園地のチケット売り場へ。
「僕が出すよ。今日はデートだしね。」
「あ、ありがと。」
自分の分のチケットを買おうとしていると隣からお金を出してくれた。
「じゃ、入ろうか。」
「うん。」
購入した乗り物フリーパスを腕につけ、あたしたちは園内へと進んだ。
今日は休日ということもあってか家族連れや明らかにカップルと思わしき人々で溢れかえっていた。
「混んでるねー。」
「大丈夫。なるべく沢山乗れるようなルート、ちゃんと研究してあるから。」
にーっこり笑ってどこから出したのか遊園地のガイドブックを見せる。・・・さっすが椎・・・抜かりが無い・・・。
「さ、行こう。」
「うん。」
そう言って手を引かれて遊園地巡りが始まった。