デート〜三笠の場合〜弐
その後、そのレースでぼろ儲け(笑)した三笠とあたしはこれまた何故か高級なお店の立ち並ぶ一画を歩いていた。
「・・・三笠ー?どこ行くのよー。」
「いーから黙って付いて来いって。」
にこにこのご機嫌顔で先を歩く三笠の背中を見ながらあたしは首をかしげる。
「ほれ。ここだ。」
「・・・ここだって・・・。」
ついたところは高級ブティック。
「ほら、入るぞ。」
「え!?え!?」
三笠に押し込まれるように店に入れば営業スマイル0円な店員さんに迎えられる。
「こいつに似合う服を見繕ってくれ。」
「かしこまりました。」
「え!?ちょ!三笠!?」
訳もわからず三笠の指示を受けた店員のおねーさんに引きずられるように店の奥へ。
そしてとっかえひっかえ服を試された結果。
「お待たせいたしました。」
「お、終わったか。」
一瞬三笠が固まった気がしたのは気のせいだろうか。
あたしの今の恰好は普段だったら絶対着ないようなワインレッドのノースリーブのシンプルなワンピース。白のレースのショールをかけて、何故かヘアメイクまでされてしまった。
「・・・な・・・何が起きたのかよく分からないんですけど・・・!」
ちょっと涙目になりながら三笠に訴えてみたが
「よし、じゃ、行くぞ。」
無視かい。三笠は競馬で儲かったお金(爆)で代金を支払い、あたしの手を引いて店を出た。
「今度はどこ行くのよー。」
「いーから黙ってついてきな。」
もー、意味わかんない。そんなことを考えながら必死で三笠についていく。
履きなれない靴を履いているため、ものすんごく歩きにくい・・・!
「ま・・・待ってよ!三笠!うひゃ!」
「・・・大丈夫か?」
「うん・・・なんとかー・・・。」
思わず転びそうになって、三笠に支えられてしまった・・・。は・・・はずかしい・・・。
「もう少しでつくから、我慢しろ。」
「うぃー・・・。」
・・・三笠に心配されるなんてなんか変ー。なんて失礼なことを考えつつ、ついたところはこれまた高級そーなレストラン。
「・・・。」
「なにほーけてんだ。入るぞ。」
「え――――――――!」
「叫ぶなよ。」
・・・まじっすか?
ビックリしすぎて固まってると、三笠に腕を引っ張られて、ずるずるとお店の中へ。
その後はウェイターさんに案内されてテーブルにつかされ、なんかもー、ものすごく豪華な料理に驚きつつも、なんとか料理を楽しむということはできた。・・・お母様に無理やり叩き込まれたマナーがなんとか役に立った・・・!
最後のデザートが運ばれてきてやっと一息。因みにデザートはイチゴのミルフィーユ。
「・・・はー・・・なんかもー疲れたわー・・・。」
ミルフィーユを頬張りながら思いっきり溜息をつく。
「でもおもしろかっただろ?」
「にいっといたずらの成功した子供のように笑う三笠の顔を見て、ふっとこちらも笑みがこぼれる。
「ま、三笠らしいっちゃらしいわね。」
三笠とのデートはドタバタな感じだったけど。ま、おもしろかったなって感じかな。
そして、そのまま家に帰ると、に大爆笑された(ほっぺたつねっておいたけど)。
普段不良でもやるときゃやる。それが三笠(え)。
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