デート〜双葉の場合〜

「ここがウサ耳族の国です。」

双葉とのデート。いつものようにひよこやへ行くと、準備万端と言った感じで双葉が待っていた。
「お、双葉。準備万端?」
『万端なのだ。』
えっへんというような勢いで応える双葉。・・・可愛い。これであたしより年上ってのが信じられないわ・・・。ま、大きい姿なら納得できるんだけど(苦笑)。
「んで、何処連れてってくれる?」
『任せるのだ!』
双葉はウサ耳族の空間移動の障子を出現させる。
「では、行きましょうか。」
どこに行くんだろーなんて考えてたらいつの間にか双葉は大きい姿になっててちょっとビックリ。
「?行きましょう、さん。」
「あ、うん。」
・・・柄にも無く見惚れちゃったよ!大きい双葉ってかっこいいんだもん!
そんああたしに双葉は首をかしげながら、あたしの手を引いて障子をくぐった。

「・・・近代的って言葉がよく似合う感じよね。」
「そうですかね。」
ウサ耳族の住む土地は、ヤマトに比べればものすごい近代的な雰囲気をかもし出している。
「そりゃ、ヤマトに比べたらハイテクっていうかなんていうかね。こっちのほうがどっちかっていうと日本に近い感じがする。」
「なるほど。」
そんな会話をしながらあたしたちは今この国最大級のショッピングモールの中をウィンドウショッピングをしながら歩いていた。
「・・・その代わり、余所者に向けられる視線はイタイわね・・・。」
「すみません(苦笑)。」
双葉と一緒に歩いていても、チクチクと突き刺さる周りの視線。
「ま、別にいいけどー。石投げられるわけじゃないし。」
あははーと笑うと双葉もほっとしたように笑う。
「そろそろ小腹が空いてきたねぇ。どっかお勧めある?」
時計を見ればもうお昼を回っている。双葉はそうですね、とちょっと考えて、
「じゃぁあそこに行きましょう。」

そう言って連れて行ってもらった双葉お勧めのレストランで食事をし、そのあともいろいろとお店を回ったりして買い物をしたりして気がついたらもう夜。
「くあー!おもしろかったー!」
「気に入ってもらえてよかったです。」
帰り。ヤマトへの障子を出すため、スペースのある場所へ移動する。
「まー、あのイタイ視線がなけりゃもっといいんだけどねー(苦笑)。」
「あはは(苦笑)。」
デートの間中、周りを歩くほかのウサ耳族からの視線が本当にイタかったよ・・・!!
「すいません(苦笑)。悪気は無いんですが。」
「あ、いいのいいの。双葉のせいじゃないんだし。」
自分のせいじゃないのにすまなそうに苦笑する双葉はやっぱ可愛いわ・・・。
「とにかく、今日は楽しかった。ありがと!」
「はい。」

今日もなかなか楽しい一日だったな。
双葉とはどこに行こうか迷って結局こんな感じに・・・。
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