情報ソースが本人とかどうしようもないですね!
「さん。椎君にプロポーズされたんですってねv」
パタン
・・・条件反射です。
扉を開けたらお母様がいました(デジャヴュ)。そして開口一番お帰りとかそういうものの前に冒頭のセリフです(デジャヴュ)。思わず扉を閉めてしまったよ。
「・・・はぁ〜・・・。」
思わず大きな溜息。
ガチャ
「いつも酷いわよちゃん。お母様泣いちゃう。」
「そんなキャラじゃないでしょう。開口一番あんなセリフはかれたらしめたくもなります。条件反射です。」
ただいま。と部屋に上がればお帰りなさい。とちゃんと返してはくれる。というか普通それが一番最初だよね!
「細かいことは気にしないの。で、どうなの?」
「は?何が?」
鞄を置いて自分の分のお茶を入れながら(お母様は勝手に自分で飲んでいた)間抜けな声が出てしまった。
「何がって、椎君のプロポーズよvちゃんはどうなの?!」
・・・うっわぁ・・・物凄いキラキラしてる。恐ろしいくらいにキラキラしてるー・・・。
「え・・・や・・・うー・・・。」
ず――――――――――ぷは。
苦し紛れに茶をすすってみた。というか、
「・・・昨日の今日でどっから情報入手してんですかお母様。」
「もちろん椎君本人からv」
うっわぁ・・・逃げ場無いじゃん。この腹黒コンビ・・・!
「腹黒なんてひどいわよちゃん。」
「そういうの腹黒って言うんです。心を読まないでください。」
ずず――――――――――。
再び茶をすすって冷静になってちょっと考えてみる。確かに椎のことは嫌いじゃない。むしろ好きなほうかもしれない。ただあんなにストレートど真ん中な告白されるなんて想定外も想定外のことでして・・・!!
「椎のことは・・・嫌いじゃないし、むしろ好きなほうですが、それとこれとこれとはぁ・・・。」
あ、なんか思い出したら恥ずかしくなってきた。
そんなあたしをお母様はとーっても楽しそうな顔で眺めてらっしゃいます!
「まぁいいわ。でも、早めに答えをお出しなさい。私はこれで帰ります。」
「あ、はい・・・。」
そう言っていつもの鏡から異界に帰っていくお母様を見送って。
「はぁ〜・・・。」
また一つ大きな溜息が出た。