「はじめまして。私がこの『ひよこや』の主人で長男の壱也と申します。」
そんなあたしの心境とは裏腹に。ご主人の壱也さんは淡々と自己紹介なんてしてくれちゃってますよ。ええ。
「はぁ・・・どうも。」
あたしも深々ととりあえずお辞儀。
「では、私たち家族・・・あなたにとっては婚約者候補を紹介しましょう。」
キター!
壱也さんはそういって、順番に紹介をしていく。
「まず、次男の双葉。」
『よろしく。』
ウサミミ族ね。
「三男の三笠。」
「・・・おう。」
典型的な問題児ね。不良だわ。
「四男の椎。」
「どうも。」
・・・腹黒だわ。絶対腹黒だ!
「五男の皐月。」
「よろしくな!」
ガキ大将タイプだね。
「そして六男の陸。皐月と陸はさんと同じ年だね。」
「えーっと・・・とりあえずよろしく?」
「うん・・・よろしく?」
なぜか疑問系だYO!
「この六人があなたの婚約者候補となります。そしてそっちに座ってるのが番頭の澪と従妹の木花。」
「よろしく。」
「よろしくねーvv」
木花ちゃんはかわいいなー。妹に欲しいvv・・・ん?
「あのー?」
「はい?」
あたしは壱也さんに、感じた違和感をぶつけてみた。
「この家、精霊石ありますよね?精霊さんにもご挨拶してもいいでしょうか?」
「!」
それを言うと壱也さんすんごい驚いた顔になった。あー行き成り言うのはまずった?
「え?何でそれを知ってるの?」
「あたし『ツナギ』だし。深川君も『ツナギ』でしょ?」
にーっこり
深川君が聞いてくるからあたしは素直に答えてみた。なんか固まってるなー。
「まじ?」
「まじ。」
そんな真剣に聞かないでよー。
「何なら証拠見せる?つーかこのこあたしの精霊だよ?」
そう言ってさっきから暇そうにあたしの頭の上で舟こいでるの尻尾を引っ張ってみた。
「ぴ!・・・ふぁ・・・痛い・・・。なに?」
「なにじゃない。ほれご挨拶。」
「うえ?あ〜これがの婚約者候補って人たち?僕は。の持ってる『炎赤華』って精霊石の精霊。」
がぺこっと挨拶する。相変わらず固まってる人たち。そろそろ戻ってこーい。
「ふっかがわくーん?」
「わぁ!」
「お帰り。」
「・・・ただいま・・・。」
「ということではい。精霊さん出せるんでしょ?ご挨拶♪」
「え!精霊いるの?!お友達!!」
深川君をこっちに帰ってこさせて精霊にご挨拶って話をしてたらが友達友達って大喜び。うーんvvやっぱりはかわいいわvv
「つーわけでも待ってます。よろしく。なんならあたしが出そうか?」
「いいよ。俺がやる。ちょっと待ってて。」
「陸。」
「壱也さん、大丈夫。」
深川君が精霊を出すって言ったとたん壱也さんの表情が曇った。いやなのかな?深川君が精霊出すの。
「壱也さん。」
「・・・なんですか?さん。」
深川君が部屋を出て行った後、あたしは壱也さんにそれとなく聞いてみた。でも、ちゃんとした答えは教えてくれなかった。でも「もう少ししたら話す」って言ってくれた。
「おー、わいを呼んだかー?」
「サイカ!」
そんなこんなしてると深川君が精霊をつれて戻ってきた。
なんつーか・・・関西弁の招き猫着ぐるみ?(笑)おもしろい。
「お友達ー!」
「わー!!」
どーん
あたしがちょっとびっくりしてるとが行き成り関西弁の招き猫精霊(笑)に飛びついた。そのせいで抱きかかえてた深川君までひっくり返っちゃったよ。
「〜・・・。」
「うえ?あ!ごめんなさーい!!」
は自分が何をしたかわかったらしく大人しくあたしの頭の上に戻ってくる。
「大丈夫?深川君。」
「うん、ごめん。」
「なんや、このねーちゃん。『ツナギ』やないか。しかも精霊付やないの。どないした?」
うっわ態度でか。
「初めましてー。一応婚約者候補?のといいまーす。シクヨロ☆でこっちはあたしのお友達精霊の。属性は炎!」
「お友達ーvvシクヨロ!」
「おう!シクヨロや!」
ん。態度はでかいがノリはいいな☆つか、「シクヨロ」の意味わかってるか?
「これで全員?」
「うん。」
「それでわ・・・。」
あたしは立ち上がり、しまっておいた耳とシッポ、更に羽も広げてみる。
「改めて。あたしの名前は。食品問屋『秋桜屋』の次女。父は人間、母は鴉天狗と妖狐・九尾のハーフ。『ツナギ』の能力も使えます。得意なことは料理全般。格闘技も出来ますv好きなことは寝ることと食べることと読書v婚約者候補ってのは母さんが勝手に決めたことだけど、とりあえずお友達ってことでvこのともどもよろしくお願いしまーすvv」
「よろしくね、さん。」
『よろしくなのだ。』
「おう、おもしれーじゃねーか。」
「よろしくね、ちゃん。」
「よろしくなー!」
「よろしく、さん。」
「よろしく。」
「よろしくお願いしまーっすv」
「よろしゅうなー!」
皆でご挨拶。とりあえず仲良くはなれそうだvさーて、これからが大変かな?
―オマケ―
「深川君。」
「なに?さん。」
「んー?皆『』なのに深川君だけ苗字なのは変だ。と言う訳で深川君も『』と呼べ。」
「Σ(゜□゜)命令形!?」
「いえす。ざっつらいと。」
「ひらがなで言わないでよ。」
「いーじゃん。あたしも深川君のことりくと呼ばせていただこう。」
「まじ?!」
「まじっす!」
「はい。ぷりーず!こーるみー!」
「・・・・・・さん。」
「はい、きこえないー?!」
「・・・〜///!さん!」
「はい、ごーかく!これからもよろしくねーvvりくーvv」
「・・・はい・・・///」