らぶ・あたっくは近所迷惑!act1

雪深い温泉宿。それが今回の依頼の場所。
「・・・つーかさ、君ら見てるこっちが寒くなるよね・・・。」
到着した温泉宿『箕輪荘』を見上げ後ろでフヨフヨと浮いている護衛その一、十二神将太陰と護衛その二、十二神将玄武、護衛その三、勾陳に振り向く。三人とも明らかに真冬の格好じゃない。
「まぁな。神将は暑いとか寒いとかいう感覚を感じないからな。、そんなに寒いか?」
「寒いわよ。そうなんだけどね。そうだけどさ、見てるこっちが寒いわね。なんつーか、昌浩からもっくん借りてくればよかったとつくづく思うわけでしてー。」
あのもこもこが気持ちいいのよねーとか十二神将最強にして最凶である騰蛇の変化した物の怪を襟巻き代わりにするこの姉弟はいろんな意味で最強である。
「ま、とりあえず中入ろう。寒い。」
と十二神将は宿の中へと入っていった。

「本当に別館のほうでよろしいのですか?」
着物美少女、この宿のオーナーの孫娘だという箕輪八雲は案内をしながら訊ねる。
「うん。あー・・・これは言っていいのかな?ここって怪奇現象、起こるでしょ?」
「あ、はい。そうですね。まぁ、今に始まったわけでもございませんから、オーナーである祖父も放置しておりますが。」
「うん。それをね、某テレビ局が聞きつけやがりましてねー。特集を組みたいから事前調査してくれって依頼が来てね。迷惑だと思うんだけど、その辺の話も聞かせてもらわなきゃいけないから、よろしくね?」
が申し訳なさそうに言えば、八雲はふふふと笑ってとんでもないと言う。
「大丈夫ですよ。まぁテレビで特集が組めるほど面白い怪奇現象でもありませんよ。」
「それならそれでいいんだ。」
そんな会話をしながら歩いていれば、別館へとたどり着く。
「こちらのお部屋をお使いください。本日は他にもこちらの別館にはお客様がお泊りになられておりますから、すれ違うかもしれません。」
「?こっちってお客さん泊めてるの?」
八雲の言葉には首をかしげる。
「いえ、いつもはお泊めしないのですが、こちらにアルバイトで来てくださってる方のお友達が妖怪の専門家だとかで。」
「へー。あたしのほかにもそんなのがいるんだー。」
《どうせインチキよ。清明やや昌浩にかなう奴なんていないんだから!》
なんか後ろで言ってるけど無視(笑)。
「はい。裏手には露天風呂がございます。先ほど申しましたもう一組のお客様がお入りになられているかもしれませんが、そちらの方たちにももう一組お客様がお見えになることはお知らせしておりますのでご自由にお入りください。お食事のほうは本館からお届けいたしますね。今は・・・六時ですからあと一時間ほどお待ちいただくことになりますが、よろしいですか?」
八雲は事務的な口調で説明するとに確認する。
「うん。ありがとう。それじゃ、ゆっくりさせてもらうね。」
そう言うと八雲は深々とお辞儀をして本館のほうへ戻っていった。それを見送り、は宛がわれた部屋へと入っていった。
突発万歳・・・!急にネタの神様ご光臨・・・!うん。馬鹿ですすいません。ごめんなさい。
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