らぶ・あたっくは近所迷惑!act11

「じゃあ、ありがとうございましたー。」
次の日。旅館の前に並んだ『妖怪の専門家』御一行(笑)とたち。最後の最後まで善人はに抱きついて離れようとしない。
「・・・・・・いい加減離れなさいよ善人・・・。」
「せっかく会えたんだからギリギリまで一緒にいたいと思っちゃ駄目かい?」
「・・・そーでなくてさー・・・。」
奈良山を引きずるようにして歩く。ぶっちゃけ歩きづらそう(づらそうじゃなくて歩きづらいの!by)。
「あーほら、電車。あたしあっち側だから。離れようね!」
あ、なんか物凄い音した。
「じゃ、皆、こいつよろしく。」
「うん。今回は面白い話をありがとうね!また会いましょう!!」
御崎に引きずられて駅のホームに消えていく奈良山+αを見送って、は大きくため息をつく。
「・・・とりあえず、終わったわ・・・。」
「お疲れ様、。」
「うん。なんていうか、事前調査よりも善人の相手が一番疲れたわ・・・。」
奈良山たちとは逆のホームに向かいながらまたため息をつく。
「でも、別に是害坊のこと、嫌いじゃないんでしょ?」
ホームで電車を待ちながら、太陰がの顔を覗き込んでくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・別に。」
その間は説得力ないぞ。
「うっさいよ、勾陳。」
勾陳に突っ込まれてぷいっと反対側を向いてしまう。その顔は耳まで真っ赤だ。
「そりゃね・・・あそこまであたしのこと好きだって言ってくれて・・・五歳のときとはいえ、あたしのこと守ってくれたんだもん・・・嫌いじゃない・・・嫌いじゃないわよ・・・でも・・・。」
あのテンションには付いていけないのよ・・・とどこか遠くを見ているに、ちょっと同情してしまう。
「とりあえず、帰って報告書、上げないとね。」
「是害坊のことも清明に報告するぞ。」
「うげ。」
そんな会話をしながら、ホームに入ってきた電車に乗り込む。
座席に座ると一気に押し寄せてきた眠気に抗えず、駅について太陰に起こされるまで熟睡していた。

―オマケ―
「ただいま帰りましたぁ・・・あ゛っ!」
「やぁ、お帰り、。」
「遅かったのう、や。」
「何でいんのー!?」
家に帰ると、奈良山が清明と茶をすすっていたそうな。
このあと奈良山に徹底的にストーカーされるんです(笑)。
back