赫音に引きずられるようにして到着した部屋に入ったとたんに、はフリーズした。部屋に入ったのが原因というか、ある一点を見て。そして我に返って開口一番。思いっきり指を指して、
「な・・・なんでここにいるのよ是害坊ー!!」
「やぁ。会いたかったよマイハニー。」
「キショイ!」
あ、周りの全員(の後ろの神将三人も)ドン引きだよ。
とりあえず相変わらずではあるが赫音に引きずられるように部屋に入り、座らされる。そして、
「・・・うん・・・とりあえず、いきなり抱きつくな是害坊。」
「いいじゃないか。俺たち婚約者でしょ?」
「あたしは認めてないけどね?」
座ったとたんに始まるノロケなのかなんなのか分からない言い争いが始まり、それを傍観する面々。白塚真一&江戸橋会長なんか、物凄く珍しい者を見たという表情で固まっている。
「えーと、とりあえず?是害坊ー?そのこ紹介してくれるかしらー?」
そのフリーズした空気をぶち破ったのはやっぱりこの中で精神的最強人物(笑)と思われる経島御崎。
「あ、すいません。この馬鹿のせいでご挨拶が遅れました。安倍、高校一年生です。」
それでもしつこく抱きついてくる是害坊基奈良山善人をぐいっと押しのけてぺこりとお辞儀をする。
「これはご丁寧に。あたしは経島御崎。あっちが白塚真一でその隣が伊達クズリちゃん。でもう知ってるみたいだけど滝沢赫音とーあの眼鏡が江戸橋照平。あたしたちの学校の生徒会長。んでそっちが生徒会副会長の新井輝とー生徒会顧問の稲葉前。これで全員なんだけどー、「先輩、ライカを忘れてます。」「わん。」
御崎が一通り紹介を終えて今度はに質問を投げかけようとした瞬間に赫音とライカにさえぎられた。
「あら、ちゃんはライカが見えちゃったりするのー?」
「先輩、ぼく言いましたよ。露天風呂でライカのこと見えてたって。それに奈良山のこと是害坊とか呼んじゃってたじゃないですか。ね?」
「うん。しっかりばっちり見えてるし触れるよー?かもんライカーvv」
「わん!」
がそう言って呼べば嬉しそうに尻尾を振ってに近づくライカ。
「あーもうv可愛い!やっぱ動物はいいなーvvやっぱもっくん借りてくればよかったーvv」
ぎゅうvvと幸せそうにライカに抱きつく。ライカが見えていないメンバーからすればが何にも無いところを抱きしめているというなんとも奇妙な構図である。
「俺も抱きしめてほしいなぁ。」
「うっさい。あたしは認めてないんだっつーの。」
「清明様とかお義兄さんたちとか神将の半分くらいには認めてもらってるけどね?」
「勝手に決められたのよ!ちくしょー!」
奈良山の横槍のせいでいろいろめちゃくちゃである。
「はーいそこー!話が見えないから!いちゃいちゃしない!」
「経島先輩、これのどこがいちゃいちゃしてるように見えるんですか!あたしは全力で嫌がってます!」
「嫌よ嫌よも好きのうち?」
御崎の一言に衝撃を受ける。後ろで隠行中の三人は、「大変だなぁ・・・」と人事のように思っていたとか何とか。
ごめんなさい!奈良山君のキャラが壊れてます・・・!
back