白銀の獣が紡ぐモノ 銀の瞳が映すもの編 act13
並んで座るエドワードは首だけでトーヤに向かい、低い声で問いかける。
「それは、お前の目が銀色に変わるのと、何か関係があるのか?」
「エドー、それ直球過ぎー。」
さん、あなたかなり人事ですね。
うん、実際人事だし(爆)。
「・・・ッ!」
脅えたような表情を見せるトーヤに、は微笑む。
「な・・・あんたたち、な・・・で、それ・・・ッ・・・!」
そしてエドワードは大きく伸びをして言う。
「ファーガスが襲われた夜、先生のひとりが言っていた。お前の目が銀色に光ったように見えたと。ティモシー・・・お前の兄貴も、酔ってそんなことを言っていたらしい。」
”ティモシー”。その単語だけで、トーヤの顔は見る見るうちに蒼白になる。唇を震わせ、かすかに呟く。
「うそ・・・。」
「嘘なものか。」
「・・・あ・・・。おれ、ちが・・・っ・・・!」
真っ青な顔で思いっきり首を振り、後ずさるトーヤ。その姿には椅子から飛び降り、トーヤの震える身体を抱きしめる。のその行動にトーヤは驚いたような脅えたような悲鳴を上げる。
「いやだっ!お、俺は化け物じゃな・・・!」
「落ち着いて。別に君の目が虹色に光ろうが目玉飛び出そうが目からビームを発射しようが感心しこそすれ、化け物扱いなんてしないよ・・・僕も、エドワードも、シーヴァも。ね?そーだよねー?」
「え?」
の腕の中で震えていたトーヤが顔をあげると(なんかちょっと気にくわ無そうな)笑顔のエドワードとトレイを持ったシーヴァの姿。シーヴァは三人の前にトレイを置くとティーカップに紅茶を注ぐ。
「そんなことで驚いていては、私立探偵とその助手は務まりませんからね。我々が暮らす下宿には、あなたより遥かに怪しげな女占い師がおりますよ、トーヤ様。さ、どうぞ。」
「・・・・・・・・・シーヴァ。それ僕の前で言う?」
「Σ!も、申し訳ありません、様・・・決して深い意味があるわけじゃ・・・っ!」
に半目で睨まれて慌てるシーヴァにちょっとだけ空気が和む(笑)。
「・・・本当なのか?お前の目が銀色になるというのは。」
あ、エドワードちょっと機嫌悪い。ちなみにはトーヤから離れて隣に座ってます。
当のトーヤは両手で紅茶の入ったカップを持ったまま、コクリと頷く。
「いったいあなたが抱えておられるものは何なのか、話していただけませんか?」
シーヴァも三人の傍に座り、トーヤに言葉を促す。
「でも・・・俺・・・。」
戸惑うトーヤの前にシーヴァはいつも使っているペンと手帳を置く。
「誓ってメモなどとりません。あなたが望まれるなら、秘密は墓まで持っていきます。」
「僕もだ。・・・本当のことを教えてくれれば、お前の無実を証明するためにできることが、何かあるはずだ。幽霊の正体にも迫れるかもしれない。話してくれないか。たまには、闇雲に人を信じてみるのも悪くないと思うよ。なぁ、。君もそう思うだろう?」
エドワードの問いかけに、は少し、寂しそうに微笑むだけ。それを不審に思いながらもエドワードはトーヤに話を促す。そして、トーヤは話し始めた。