白銀の獣が紡ぐモノ 白き古城に眠るもの編 act1
「ふわぁああああ・・・。」
は大きく伸びをしてベッドの中からのそっと抜け出す。カーテンの隙間から明るい日の光が差し込む。昨日まで降っていた雪が、ようやくやんだようだ。カーテンを開ければ一面の銀世界が広がっている。
「じぇいどーじぇいどー雪やんだよー。」
ぺしぺしと尻尾で叩いてみる。今更だが寝るときは獣姿だ。ジェイドの抱き枕にされてたりする。
「・・・・・・・・・・・・・・・Z。」
起きねぇや。
諦めてはその場でくるり、と一回転。人型になり、ジェイドから与えられた服の中から温かそうなものを見繕う。さすがに寒い。
「さて。マーシャルさんとこ行ってきまーす。」
へんじがない ただのしかばねのようだ(おい)。
「あああ、エドワード!どこ掘ってんだよ!」
食事が終わって部屋に戻ればなにやら外が騒がしい。窓を開けて下を覗き込めば大騒ぎしながら雪かきをしているエドワード、トーヤ、シーヴァの三人。
「おーい、三人ともーおはよー。」
「あ、!おはよー!」
ぶんぶんと手を振るトーヤに控えめに微笑むエドワード。それにちょっとニヤリ、と笑って窓を全開。下にいる三人はなんか嫌な予感を察知。脇に避ける。
「とう!」
「「「(様)――――――!?」」」
絶 叫 ☆
お構い無に窓から飛び降りる。窓は飛び降りる寸前に後ろ手に閉めた(器用)。
「十点!」
「『十点!』じゃない!君は本当に!」
「だって一番近道だし?」
ぎゃいぎゃい
とまぁなんだかんだ言いながら雪かきをしていると(いつの間にかも参加)(しかもなぜかいつの間にかかまくらが出現していたりする)、
「あれっ?」
「怠けるなよトーヤ。」
「怠けてるんじゃないって。誰か運ばれてくるみたいだぜ?」
「運ばれて・・・?」
「あ。本当だ。」
トーヤとエドワード、が向こうを覗き込めば確かに男が一人座ったそりがやってくる。
「おや、急病人でしょうか。この雪では、病人を医者に連れていくのも一苦労でしょうね。」
「あれ?こっちにお医者さんってあったっけ?あのおっきい病院は向こうだった気がするよ?」
「だったら何?凄い金持ちの道楽かな。雪見とか。」
「えー。」
「金持ちなら、こんな下町には来ないだろう。とすれば、あるいは遠来の客・・・かもしれないな。」
「「・・・・・・へ?」」
「上手くいけば、この忌々しい雪かきを切り上げて、本来の仕事に取り掛かれるかもしれないよ、トーヤ、。」
意味ありげな笑みを浮かべるエドワードにトーヤが嬉しそうに応じる。
「本来って・・・あ、もしかして!」
「あくまでも、もしかしたらの話だけどね。でも、その可能性がある以上、急いで階段の雪をどけてしまわなくては。」
「よっし。さくさくやっちゃおうぜ!」
「あれ?いつの間にか僕が参加すること決定なの?」
の呟きは綺麗にスルーされた。
新章スタートです。誰か文才をください…!
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