白銀の獣が紡ぐモノ 白き古城に眠るもの編 act3
依頼内容というのは早い話が
―怪事件の解決―
依頼人のロレンスは長い間勤めていたレストランを辞め、独立して自分の店を持つという夢を実現すべくハンバーという村にある小さな古城を買い取った。そして料理屋ではなく宿屋として開業したはいいが、そのホテルで怪事件が発生し始めた。夜中に奇怪な物音を聞いた、妙な人影を見た、さらには悪夢に魘されて眠れなかったetc・・・灯りを増やしたり装飾品を交換したり、ロレンス自ら真夜中に見回りまでしたという。そしてそんな中、一度だけ、妙な人影を見たという。男女や年齢の見当はつかなかったらしいが、ロレンスは自分のことが気に食わない村人だと思い思い余って村の酒場に乗り込んだこともあるらしいが証拠が無い限り犯人を捕まえることは出来ない。そこで知り合いであるバルフォア校のコレット校長と知り合いであったロレンスはコレット校長に相談したところ、エドワードを紹介された。
はロレンスが語った内容を頭の中で整理し、溜息をついた。コレは明らかに人”でないもの”が関わっている。そう、野生の感が言っている。
因みに依頼人は城が心配だといってさっきのそりを引いていた男達がいるといっていた酒場へと、シーヴァに伴われて出て行った。エドワードたちはコレット校長から紹介された依頼人達(サウナで水虫をうつした犯人を突き止めてくれetc)を思い出して笑っている。コレット校長も少し考えて紹介してほしい。
眉をひそめるを傍目にエドワードはソファに移動してだらしなく寝転がっている。シーヴァがいたら怒られそうなかっこうである。
「それに比べれば、今回の依頼はうんとまともだよ。あるいは、少々荒っぽいことをする羽目になるかもしれないが・・・?」
「・・・あぁ、うん。どうしたの?」
「や、何か考え事かい?」
「・・・まーそんなとこかな。今回は・・・なんか僕も参加したほうがいい気がするから、ちょっとジェイドに許可とって来る。なんか決まったら教えて。」
「・・・あぁ。」
はそう言って部屋を後にした。
「・・・が自分から行くなんて・・・珍しいな。」
「そうなのか?俺エドワードほど付き合い長くないからわかんないけど・・・。」
「あぁ。ほら、バルフォアのときも言っていただろう?”神に連なる力を持つ獣”だと。」
そう言われて、トーヤはエルシーの幽霊と対峙したときのの姿を思い出す。
―銀色の獣の耳に同じ色の尾―
「あぁ・・・うん。言ってた。結局、って何者?」
「・・・僕にもわからない。ただ、の生まれ故郷はチーノという島国で、そこから連れてこられ、見世物小屋にいたところをジェイドが引き取ったらしい、と言うことくらいだね。」
バルフォアでのあの姿も初めて見たよ。
そういうエドワードにますますへの謎が深まるトーヤだった。