その夜の深夜。日付が変わろうという頃、、エドワード、トーヤ、そしてシーヴァは玄関ホールにいた。さっそく今夜から、謎の人影の正体を突き止めるために夜の張り込みを開始することにした。ただし、は「女の子なんだから!」と部屋に残るように言われていたのだが、速攻で却下。まぁ当たり前だが。ついでにロレンス氏もと言っていたがさすがに無理だろう。強制退場願った。
「さてと、どうする、エドワード。みんなでぐるぐる城じゅう回ってみるか?」
そんなトーヤの提案を当たり前だがエドワードは却下した。
「いや。手分けすることにしよう。危険度は増すが、全員で行動を共にするよりは広範囲を見張ることが出来る。その代わり、何かあったら大声をあげること。小さい城だ、声は届くはずだからね。」
シーヴァは頷き、階段のほうを見やった。
「では、この玄関ホールに陣取り、客室で侵入者を待つ。そして・・・、」
「後は食堂で待機することにしよう。あの部屋からは簡単に庭に出られる。ということは、庭からも比較的簡単に城内に侵入できるということだ。」
「なる。で、誰がどこに配置?」
蝋燭の火に照らされての瞳が輝く。隣ではトーヤが瞳を輝かせている。・・・なんか犬耳と尻尾が見えるのは幻覚だと思いたい(笑)。
「(苦笑)まずシーヴァはこのホールにいて、二階と一階の両方に気を配ってくれ。」
「でもど真ん中に灯りついてたら侵入者が警戒するから・・・、階段の下あたりにいるのがいいよね。」
「わかりました。お声を決して聞き漏らさぬよう、気をつけています。」
シーヴァが頷くと今度はトーヤに向き直る。
「トーヤは客室にいてくれ。扉は、薄く開けておくんだ。そうすれば、部屋から廊下の様子も窺える。」
「なるほどな!了解。じゃ、あんたは食堂だな、エドワード。ってあれ?は?」
「もちろん僕と一緒に決まってるじゃないか。」
「え?決まってるの?決定なの?僕に拒否権は?」
「(無視)ある程度ではあるが、食堂なら外を歩く不審者を見張ることが出来るからな。「え?スルー?」いいか。危険を感じたら、決してひとりで深い追いするな。必ず声を出して、仲間を呼ぶんだ。」
「わかった!」
「わかりました。」
「・・・お願いだから誰か僕の話も聞いて・・・!」
ちょっと泣きたくなった。
「何を言っているんだ。大事な君を一人で行動させるわけが無いだろう。では、それぞれの持ち場に散ろう。決して居眠りをするなよ。賊を取り逃がすだけでなく、自分の身も危機にさらされるからな。」
「わかってるっての。じゃ、俺、行くな。もがんばれよ!」
「・・・・・・・・・・・・おー・・・・・・・・・。」
ちょっと遠い目をしてしまったのは不可抗力だ。
トーヤが客室のほうへ姿を消すのを確認し、シーヴァを残して未だに体育座りでのの字を書いているを引っ張ってエドワードは食堂へと入っていく。食堂の中へ入るとカーテンの陰に潜む。灯りはカーテンを燃やさないように注意する。
「・・・寒いな・・・。」
「だったら部屋戻っていいよ。僕が一人で見てるから。」
「あはは。何いってんのかなー。」
「エド黒い!なんか黒い!」
ちょっと怖かった(苦笑)。
そんなやり取りをしていたそのとき、トーヤの叫び声が城の中に響いた。
「「トーヤ!?」」
弾かれたように立ち上がると食堂を飛び出す。既にシーヴァも灯りを手に猛スピードで階段を駆け上がっていく。
「ちょくしょっ、どこ行ったッ!」
不審者を見つけたらしいトーヤは二階の廊下に仁王立ちをして肩で息をしている。
「何がいたのトーヤ・・・ッ!」
がトーヤの見たものを聞き出そうとした瞬間、今度はしわがれた男の叫び声が聞こえた。驚きと絶望に満ちたその叫びは、もう一組の宿泊客である老夫婦の客室から聞こえてきた・・・。
エドワードは主人公のこととなると周りの意見(本人含む)はオールスルーです(え)。
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