白銀の獣が紡ぐモノ 銀の瞳が映すもの編 act4
「様、起きてください。」
「・・・うぅ?シーヴァ?」
どうやら眠ってしまっていたらしい。はシーヴァに起こしてもらった礼を言うと椅子から立ち上がり思いっきり伸びをする。ふと、ベッドのほうを見ればエドワードはまだ大の字になって寝ていた。
シーヴァがエドワードを起こしているのを眠気覚ましに身体を動かしながら眺め、エドワードの準備が整ったところで三人は食堂へと移動した。
食堂でたちはエドワードと並んで職員用(というか校長の並び)の席に着席していた。・・・ぶっちゃけ視線がイタイ。そして、校長は食事の前の挨拶の代わりにエドワードを紹介した。紹介が終わると拍手が沸き起こる。
そして、エドワードの『仕事』がこの学校で起きている『幽霊騒ぎ』を解決することだと聞くと、学生たちのざわめきはさらに増す。
そんな期待をこめたざわめきの中、校長に挨拶を求められ、立ち上がったエドワードは食堂内に響く声で言う。
「校長先生からお話があったとおり、僕はこのバルフォア校を愛する卒業生のひとりとして、学校の評判を地に落としかねない幽霊騒ぎを解決するため、ここに戻ってきた。僕にできうる限り、尽力するつもりだ。」
主にエドワードが属していたオーク寮の生徒たちからの声援が大きくなる。
「これ以上、幽霊に傷つけられる生徒が出ないように、一日も早く幽霊の正体を暴くために、みんなにも協力を仰ぎたい。どんなに些細なことでお、幽霊に関する情報を持っている者は、僕に教えてくれ。僕は、エルム寮にいる。」
更なる拍手に包まれてエドワードが着席すると食事が始まった。
その夜は消灯時間寸前までエドワードたちの部屋は生徒たちで溢れていた。半分上はエドワードが学生時代に属していたオーク寮の後輩たち、残りは幽霊騒ぎに関する噂を持ってきた生徒と・・・の容姿を珍しがって(というかお近づきになりたかったらしい その辺はエドワードの無言の圧力がかかっていた)やってきた生徒たち。
そしてその中でいくつか新たな情報も得られたらしい。
消灯時間になり生徒たちがいなくなると、エドワードは寝間着に着替えながら明日、幽霊が目撃された場所を見ておき、放課後に被害者たちに話を聞こうということになった。
「は・・・。」
「僕も行くよ。出なかったらここまで来た意味がないじゃないか。」
いつの間にか寝る仕度を整えていたがにっこりと笑う。
「それは”神に連なる力”とやらを期待していいのかな?」
「さぁ?そのときがくれば、ね。」
そう言って笑い合い、床についた。