白銀の獣が紡ぐモノ 白き古城に眠るもの編 act18
「・・・おはよう。僕の顔になんかついてる?」
あくびをしながら食堂に下りてきたはエドワード以下三名にガン見されてちょっと引いた(正常)。
「・・・いえ。特には・・・、」
「本当にって何もんなのかなーって。」
「あの魔物とは違うもんなぁ。」
「は僕のフィアンs「
はいちょっと黙ろうかー。
」グフッ!」
愛のラリアット炸裂。
本当になんなんだと一番口の軽そうな(酷)トーヤを問い詰めてみれば何のことはない昨日の、が変化した少女の姿のことだった。階段に飾られた肖像画。それがアグネスのもので、昨日が変化した少女そのものだったことからなんだったのだということになったらしい。説明が面倒(爆)。でも四人の「説明しろ」オーラが痛い。
「・・・あーうん、アレは、あの魔物の”記憶”を写し取ったんだよ、声もね。ただそれだけ。それだけだから本当にエド
顔近い!
」
他になんかないか的な勢いで迫ってくるエドワードの顔を押し返しながらなんか何時ものやり取りにしか見えないほのぼの空気が流れる。
因みに、その肖像画をエドワードは報酬として貰い受けることにし、あの魔物と一緒に燃やしてもらうことにしたらしい。それを聞いて、は嬉しそうに笑った。
スワン・ホテルで五日間を過ごし、魔物を見て倒れてしまったロレンス氏が回復したのを確認して一行は無事に下宿に帰って来た。は下宿の入口でエドワードたちとわかれ、自分の暮らす部屋―ジェイドの部屋―へ向かった。
「ただいま、ジェイド。」
「ふあ・・・あら、お帰りなさい、。どうだった?」
ふふ、と笑うジェイドに苦笑する。
「どうもこうも、大変だったよ。っていかまた朝まで飲んでたの?僕がいないと本当に不健康な生活してるよね。」
「・・・って本当にお母さんって感じよね・・・ハリエットが二人いるみたい。」
「褒め言葉として受け取っておくよ。僕はコレを片付けてくるね。今回の話は又後で。」
「ええ。楽しみにしているわ。」
は旅行鞄を示し、ジェイドにそういうと部屋の奥へ引っ込んだ。
そして何分かたって。洗濯物を抱えて部屋を出てきたは新聞紙で巻かれただけの水仙の花束を持って笑っているジェイドを見て、何があったかを微妙に悟ってしまえる自分に、ちょっとだけ頭痛がした。
「(・・・がんばれトーヤ・・・、)。」
何をとは言わない。
特殊能力もちって大好き。ただその能力が生かしきれていないのと自分でもわけがわからなくなってきていること←
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