ようこそ異世界へ!〜act11〜
「さーて。勝負よ!」
城の外の広場。はいつものゴシックロリータ調のワンピースを翻し、ツインテールの髪を揺らしてコンラッドに渡された剣をビシィ!と音がしそうな勢いでヴォルフラムに突きつけた。
「・・・は大丈夫なんですか?」
「・・・多分。あいつ・・・ちっさいころから喧嘩で負けたことねぇから・・・。」
ちょっと心配そうにつぶやくコンラッドにユーリはどこか遠い目をしながら答える。
「これは喧嘩じゃないんですけどねぇ・・・。」
コンラッドが苦笑しながら突っ込むがユーリの耳には届いていない様子。
ギュンターはあからさまに不安そうな表情をし、見物をしに来たアニシナはが男に負けるなんて在り得ないといった表情。グウェンダルは相変わらずの無表情で何を考えているのかわからない。
「ふん!逃げるなら今のうちだぞ!」
「あら、あたしが逃げるなんてありえないわよ!」
剣を突きつけたままふふん!と鼻で嗤う。
「それでは・・・はじめ!」
グウェンダルの号令で二人の剣がぶつかり合う。
「・・・!お前・・・なかなかやるな!」
「ふふふふ。お褒めの言葉、ありがたく受け取らせてもらうわっ!」
キン!
思いっきり後に飛びのく。
そして、
「さー!どれくらい腕が上がったか!試させてもらうわよ!」
剣を左手に持ち替え、右手に神経を集中させる。
掌に魔力をこめる。魔力をこめた手に風が集まる。
「うりゃぁぁぁぁ〜!カマイタチ〜!!」
ブン!
思いっきりヴォルフラムに向けて腕を振る。
「・・・うわぁ!」
の手に集まっていた風が刃の形になりヴォルフラムに向かう。
それを間一髪で避ける。
「まだまだ!!」
ブン!ブン!ブン!
次々に手に集めた風を刃の形に変えてヴォルフラムに向けて放つ。
「ふふん♪どうよ!あたしの成長っぷりは!!」
攻撃がひと段落するとえっへん!とふんぞり返ってブイサイン。
「素晴らしいですわ!!さん!」
「あたしにかかればこんなもんよ!」
アニシナの賞賛の声にへへっと得意げに笑う。
「ふん!・・・次は・・・こっちから行くぞ!」
今度はヴォルフラムの反撃が始まる。
放たれた炎が獅子の形となってに襲いかかる。
「!!」
「そんなもの!」
は手に集めた風を障壁に変えヴォルフラムの攻撃を防ぐ。
「く!」
「どーだ!」
えへへ〜!と得意げなに苦虫を潰したような顔をするヴォルフラム。
「どぉ?降参するなら今のうちよ!」
「誰が降参などするものか!」
「それなら・・・次、いくわよ!」
こんな感じで二人の勝負は日が暮れるまで続いた。