ようこそ異世界へ!〜act13〜

「ユーリ。あたしの運動に付き合いなさいvv」
ニッコリ笑顔ではユーリに言い放った。

「うぉ〜・・・。疲れた・・・なんなんだ・・・王様ってこんなに忙しいもん・・・?!!」
ユーリはぐった〜と執務室の机に突っ伏した。
「うー・・・ずっと篭りっぱなしで体鈍るよ〜・・・。」
首をコキコキ鳴らしながらん〜と伸びをする。
そこへタイミングを見計らっていたかのように現れたの一言。
それはもうものすごくいい笑顔で言われた日にゃぁ断れるわけも無く。
ユーリはずるずると引っ張られるように庭の広場に連れてこられた。

そして、現在ユーリとはなぜかコンラッドに借りた剣をつき合わせて向き合っている。
「・・・で、運動って・・・これ?」
「そーよ。少しは鍛錬しないと鈍っちゃうのに・・・誰も相手してくれないんだもん。怪我させられないからって。アニシナさんも今新しい発明品の開発で忙しいし。」
は〜、と溜息をつく。
「だからvvユーリもお仕事一段楽したみたいだしvvユーリも自分の身くらい自分で守れるようになりたいデショ?」
「う゛・・・そりゃぁ・・・まぁ・・・そうだけど・・・。」
「だ・か・らvあたしの鍛錬のついでにユーリの修行もしようってことでvv」
ものすごくいい笑顔。本気(と書いてマジと読む)だ・・・。目が笑ってない・・・。
「さ、始めるわよvv」
「うぇぇぇぇ〜!!」

キン!キン!キン!

剣のぶつかり合う音が広場に響く。その様子を微笑ましそうにコンラッドが眺めている。
は強いですね。」
「独学だけどね!」
「うぉ!」
コンラッドの言葉に答えながらもユーリへの攻撃は衰えない。
「す・こ・し・は・手加減しろー!!」
の容赦ない攻撃に押されながら叫ぶ。
「あら!これでも手加減してるのよ〜vv」
とかいいつつ攻撃の手は緩まない。
「嘘付け〜!!」
押されてる押されてる(笑)。
「え〜い!」

キーン!

勢いよくユーリの持っていた剣を弾き飛ばす。
「うぉぉぉお!お?!」
「え!?ちょっと?ユーリ!?きゃぁ!」

ザブン!

剣を弾き飛ばされた勢いで後に合った噴水へダイブ。
勢いでの腕をつかんでしまい、も一緒に噴水へ。
「ユーリ!?!?」
最後に聞いたのはコンラッドが呼ぶ声。

「ぶは!」
「ひゃぁ!!」
気が付いたのは元の世界の噴水の中。
「・・・あぁ〜・・・。そっか。戻ってきたんだー・・・。」
「・・・何・・・何が起きたの・・・いったい・・・。」
噴水に浸かったまま意味がわからないというようには頭の上に?マークを浮かべている。
「あー・・・うん・・・帰ってきたみたい・・・。」
「帰ってきた・・・ああ・・・なるほど。」
「納得するの早すぎ。」
「とにかくココから出よう。つか早く帰ろう。風邪ひくよ。」
「あ、うん。」
ユーリの説明に速攻で納得。更に言うことがめちゃくちゃ冷静である。
「よいしょっと・・・。」
噴水から出た二人は思いっきり水浸し。足下には子供用のボールが転がっている。
「あー・・・そっか。買い物終わりの休憩でココに座ってたらボールが飛んで来て避けようとして噴水ダイブ。気が付いたら眞魔国だっけ・・・?」
「状況説明ありがとうございます・・・。」
は記憶をたどって状況を整理しながらワンピースのスカートを絞っている。
「・・・ま、面白かったけど。とにかく帰ろう。このままじゃマジで風邪ひく・・・。」
「・・・あぁ。」

服から水を滴らせつつ、周囲から何が起きたんだという目で見られながら二人は家へと帰った。
そしてこれからまたちょくちょく二人一緒に眞魔国に召喚されるようになるなんて・・・思ってもいなかった。
無理やり終わらせた感万歳すぎて自己嫌悪・・・。
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