ようこそ異世界へ!〜act9〜
「あたしも魔術使えるのかなぁ?」
「は?」
そんなの爆弾発言からそれは始まった。
「それは・・・ユーリの持つ眞王の魂の欠片を持っているのであれば使えるのでしょうが・・・。」
「じゃ、覚えたい。」
ギュンターの困ったような返答に即答する。
「そんな簡単に言われましても・・・。」
「大丈夫ー。少なくともユーリよりは才能あると思う。」
「悪かったな。」
隣に居たユーリが突っ込む。
「それではまずは要素との盟約を結びませんと・・・。」
「・・・めんどくさいねー。」
ぶーっとちょっと眉間に皺を寄せる。
「そんなことしないでちゃっちゃか魔術使えるようにならない?」
「それは・・・。」
「とりあえず使い方だけ教えてよ。そしたらなんとなくやってみるから。」
「え・・・まぁ・・・いいですが・・・。」
「やったvv」
なんかもうめちゃくちゃである。
ギュンターから魔術の使い方(?)を教わり、あまり人の居ないところでやってみようと、近くの森にやってきた。
なぜかアニシナとツェリもいる。
「眞王の魂の欠片をお持ちですから、盟約無しに魔術が使えるということもありえます。その場合、魔術が暴走して周りに被害が出ないように私が指導しましょう。」
「うふふvvだってvv面白そうなんですものvv」
と言うのがこの二人がついてきた理由である。・・・アニシナの言い分はわかるとして、ツェリはあからさまに面白がっている・・・。マジで。
とにかくやってみようということで、ギュンターに教わったとおり、神経を操りたいものに集中させる。
森の中・・・先ずは・・・風。
するとの周りに風がまとわりつき、小さな竜巻が起こる。そのままその風に神経を集中させ、腕にまとわりつかせる。そして
ビュン!
勢いよく腕を振ると風は刃のように飛んでいき、そこにあった木の枝をすっぱりと切り落とした。
「素晴らしいです!さん!!やはり才能がおありですね!!」
「風の魔術ですわねvv素敵vv」
「・・・ふぅ〜・・・でもちょっと疲れますね・・・。」
二人の賞賛には微笑んで答ながらもちょっと疲れた表情をする。
「初めてですからね。それにしては上出来です。もう少し訓練すればもっといろいろと形を変えて魔術を使うことができるようになると思いますよ。」
「はいvv」
次の日。風の魔術が使えるようになったは執務室で書類に埋もれるユーリに対し、書類をばらばらに撒き散らし、いじめていた。あとでちゃんともどしていたが(笑)。