シルバーレースを君に贈ろう

は画面に表示されるランスロットの戦闘データを見つめながら大きなため息をついた。
「・・・ねぇ・・・ロイドー・・・。」
「んー?なんだい?」
「あたしそろそろ限界。無理。これくらいで死んでたまるかって感じだけど死にそう。」
ぐっでーんとキーボードの上に突っ伏す(キーボードはロック済み)にロイドはいつもの笑みを貼り付けて応じる。
「あーそうだねー。僕もそろそろ我慢の限界が近いんだよねー。ねー、セシル君ーセシル君はどーよー。」
書類を抱えてそこを通り過ぎようとしたセシルは立ち止まり、ふと、いつもとは違う黒い笑みでにっこりと笑う。
「・・・セシルー?目が笑ってなーい。」
「ふふふ。この、今の状況で笑ってなんか居られませんからね。」
「「ですよねー・・・。」」
綺麗にハモった。そして三人で不適な笑みを浮かべる。
「もー限界だよねー。いいよね、我が君の元に行っても。もう何年も待ったんだし。」
「だよねー。いいよね。行っても。ふふふーあの方の驚く顔が楽しみだなぁvv」
「ロイドさん、不謹慎ですよ。まぁ、私も早くあの方に会いたいですけどねv」

次の日、特派から三人の姿が消えた。ランスロットのデータが破壊され、ランスロットと共に開発されていたKMFパーシヴァルと共に。

騎士団の前に現れた三人のブリタニア人とKNFに出迎えた騎士団のメンバーは困惑していた。その中でも、カレンは自身がよく知る人物に言葉が出ず、硬直している。そんなカレンに気づいた人物――はにっこりと嬉しそうに笑ってカレンに向かって手を振る。
「ちょりーっす!カレーン!えーと学校で会ったきりだからー三日ぶり?」
凄い勢いで空気ぶち壊しな挨拶をしてくれちゃったにカレンは頭が痛くなりそうだった。
「・・・カレン・・・知り合いか?」
「・・・・・・・・・クラスメイト・・・スザクと同じ特派の・・・ブリタニア側の人間よ・・・なんであの子が・・・。」
は嫌いじゃない。ブリタニアの軍人という立場にありながらもゼロを否定しない。むしろ否定しかしないスザクを毎回(強制的に)黙らせてくれている。
「・・・・・・・・・・・・・・・あなたなんでこんなところに居るの・・・それにそのKMFは・・・。」
「ん、あたしたち軍抜けちゃったv」


は?

「ん、だから軍辞めたの。いい加減ウザクの世話も嫌になったし。もういいかなーって。ね?”ゼロ”。」
いつの間にか現れていたゼロに向かってにっこりと微笑む。

我が主〜!!

落ち着けい!ごすっ!

・・・なんかものすごい音がした気がするけど気のせいということにしておこう。うん。

『・・・、ロイド・アスプルンド、セシル・クルーミーか・・・。』
「ええ。やっと、お側に、我が君。」
「私たちはこの命尽きるまで貴方と共に。」
「お側に、置いてくださいますか?」
ゼロの元に跪く三人のブリタニア人に周囲は唖然とする。当のゼロはというとそんな三人を無言で見下ろしている。
『・・・いいだろう。お前たちの騎士団入団を許可する。』
「「「ありがとうございます、我が君(主)。」」」
『それとお前たち、あとで私の部屋に来い。・・・カレンもだ。』
「「「「はい。」」」」
ブーツの踵を鳴らし、去っていくゼロの後姿を見送ると、早速といわんばかりにはカレンに抱きつく。
「カーレン!」
「わぁ!!」
「これからよろしくねv」
「え、あ、うん。よろしく・・・じゃなくて!!意味わかんないわよ!」
ブリタニア人の少女(クラスメイトらしい)に抱きつかれ混乱しているカレンに周囲は突っ込みを入れられない。
「それもちゃんとゼロが説明してくれるわ。」
「・・・あんたゼロの正体知ってるの?」
「ええ。カレン、貴女も知ってるはずだし。」
その答えにカレンは硬直する。そんなことをしていると騒ぎを(ようやく)聞きつけたラクシャータが奥から姿を現す。
「あら〜、プリン伯爵に・・・とセシルぅ?あんたたち何でこんなとこにいんのぉ〜?・・・もしかして・・・?」
「げ。ラクシャータ。」
「やっほ。久しぶりぃvそのまさかだよんvこれからゼロのとこ行ってくるからあのKMFよろしく!名まえは『パーシヴァル』だよんv」
あからさまに嫌そうな顔をするロイドに苦笑するセシル。テンション高めに挨拶すると三者三様。当のラクシャータはといえば、わかったわぁ〜とどこか嬉しそうに微笑んで投げ渡されたキーを受け取るとKMFを移動させにかかる。
「ところでこれ誰が乗るのぉ?」
「ん?あたし。」
「パーソナルデータは?」
「入力済み。後でシュミレーションもやらせてもらうわー。」
「待ってるわぁ、久しぶりにあんたの戦いも見れるのね。楽しみだわぁ。」
「ご期待に沿えるようがんばりまぁす!さ、カレン、ゼロのとこ行くよ!案内よろしくvロイド、セシルも!」
周囲が唖然とする中、カレンを引きずるようにしてゼロのところへと向かう。そこでゼロの正体がルルーシュであるとか元皇族だったとかいろいろカミングアウトされたり、もルルーシュの皇族時代からの知り合いだったとか衝撃的事実を突きつけられてパニックに陥った上にそのまま勢いでほかの幹部にまで正体がばれて(むしろカレンとが結託してばらした)大騒ぎになったのは言うまでもない(結局は受け入れられて丸く収まったけど)。
いきなり飛び出てじゃじゃじゃじゃーん(死)って感じでネタの神様ご光臨。突発的に思いついたネタ!
っても、神様が授けてくださったのは最初の「限界」という台詞のみでした。それだけでここまで妄想膨らませられる自分乙!(爆)。
つーかこれ別に夢じゃなくてCPでもよくね?(黙れ)。

※シルバーレースの花言葉→あなたを支える
※パーシヴァル→アーサー王伝説の登場人物。ペリノア王の息子。聖杯の騎士の一人。円卓の騎士でもある。(byうぃきぺでぃあ)
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