戦友≠恋愛対象?
ドカ!バキ!
庭のほうから物凄い音が聞こえてきて、不審に思ったリディアが庭に出てみると、
「ふふふ、まだまだですわ、レイヴン!」
「・・・っ!」
超いい笑顔でバトっている自分の専属メイドの姿とエドガーの側近。
あまりの壮絶さにフリーズしていると、
ドゴォ!
いっそう物凄い音と共にレイヴンが吹っ飛んだ。思わず目を瞑ったリディアだが、砂煙の中から出てきたレイヴンはうまく受身を取ったらしく無傷だ。
「・・・あら、リディアお嬢様。何か御用でしょう?レイヴン、今日はこの辺で大丈夫でしょうか?」
「はい。ありがとうございましたさん。」
「私は使用人ですから呼び捨てでいいといつも言ってますのに。」
優雅に微笑みながら手に持っていた苦無(の故郷の武器だとリディアは聞いた)をメイド服の中の足に取り付けたホルスターにしまうに、リディアは緊張で止まっていた息を思いっきり吐く。
「・・・・・・・・・別に用は無いけど・・・庭で物凄い音がしたら誰だって気になるわよ・・・。」
「ああ、申し訳ありませんでした。ちょっとレイヴンの鍛錬に付き合ってましたら熱中してしまいまして。」
ねぇ?とレイヴンに向けて綺麗に微笑めば、レイヴンも無言で頷く。
「・・・・・・・・・鍛錬って・・・までそんなことしなくても・・・。」
「いいのですよ。これは私が好きでやってることですもの。」
そう言われてしまえばリディアも言い返せない。変わりに一つ大きく息を吐くと、
「はぁ、いいけど。無理だけはしないでよね。」
「はい。」
超いい笑顔。
「さて、そろそろお茶の時間ですね。私はトムキンスとお茶の準備をしてまいりますので。」
ぱんぱんとスカートについたほこりをはたくと、屋敷の中に入っていく。レイヴンもそれについて行く。
「・・・レイヴン。」
「はい、何でしょう、リディアさん。」
「のこと、お願いね。」
「はい。」
そう答えて屋敷に入っていくレイヴンが少しだけ微笑んだように見えて、リディアはちょっとだけ、嬉しくなった。
この設定で連載考えてたんですが、原作持ってないんでとりあえず一番最初にネタ神様より賜ったネタで(笑)。レイヴン夢ってマイナーですかね?(苦笑)。
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