墜ちて堕ちる

―ありがとう 私はあなたと過ごせて 幸せでした―

AKUMAとの戦闘。レベル1が数十体にレベル2が数体。対するはラビとブックマンの二人だけというあまり有利とは言えない状況。
「だー!!これからとデートだっていうのにしつこいさー!!」
「ぐだぐだいっとらんでさっさとせんかバカモン!!」
「わーってるっつーの!パンダ!!」
いつもどおりなやり取りをしながらAKUMAを破壊する。
「あと少し―っ!」
「あ、ラビさ・・・「来るな!」え?」
一瞬現れた少女のほうに注意の向いたラビへAKUMAの攻撃が襲い掛かる。
「っ!ラビ!」
「ラビさん!!」
「(っ!やられるっ!)。」
ドォン!
すぐ近くで爆発音が響く。が、いくらたっても来るはずの衝撃が訪れない。恐る恐る目を開ければそこには、
「・・・と・・・り・・・?」
目の前にはラビを護るように翼を広げた鳥―いや、AKUMA、それもレベル2の姿。
『大丈夫ですか、ラビさん。』
・・・?」
AKUMAから発せられるのは今回任務の為に訪れた村で知り合った少女のもので。
『なんだお前!AKUMAのくせにエクソシスト庇うのか?!』
『伯爵様に言いつけてやる!!』
『ご自由にどうぞ。私は・・・、』
バサッと翼を広げ、
『人間が、ラビさんが好きです。』
―たとえ、エクソシストでも!―

気がつけばあたりは一面AKUMAの残骸で埋め尽くされていた。それを確認すると体をコンバートしていたは崩れ落ちるように人の姿に戻る。
「っ!!」
ブックマンが引き止めるのもかまわず、に駆け寄る。
「・・・あ、ラビさん。怪我、してないですね。」
「あぁ、AKUMAの攻撃、全部が受けてくれたから。」
レベル1の弾丸も、レベル2の攻撃も、全てが受け、その後ろからラビとブックマンが攻撃をするという形で全てのAKUMAを破壊した。しかし、さすがに同じAKUMAだとしても、あれだけの攻撃を全て受けたの体はぼろぼろになっていて。
「よかったです・・・私、ラビさんの御役に立てたんですね・・・。」
「な・・・んで・・・。」
「私、不良品なんですよー・・・。」
へらっと笑って、進化の時点でプログラムバグを起こしたことを語る。
えへへ、と笑いながらもの体はぼろぼろと崩れる。
「あ・・・そろそろ・・・やばいかもですー・・・。」
!」
「はな・・・れてく・・・だ・・・さい・・・っ!」
最後の力を振り絞り、ラビから離れると再び体をコンバートする。そして、
『ありがとう・・・ございまし・・・た・・・。』
ドォン!!
!」
ラビたちに爆風が及ばない位置まで離れ、は爆発した。
残されたのは唖然とするラビと、無表情にそれを見つめるブックマン。

―優しくしてくれて ありがとうございました―

「っ!」
風に乗って聞こえたその声に、静かにラビは涙を流した。
かなり前に書いたものを発掘。・・・意味わからん・・・。何がしたかったんだろう自分・・・。
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