「ランティス!」
「・・・か。」
名前を呼ばれてランティスは声のしたほうを振り向く。
そこには己の聖獣から飛び降り、自分のほうに向かって必死で走ってくる金髪の少女。
「はぁ、はぁ、・・・ランティス・・・。」
「・・・。」
と呼ばれた少女は不安そうな瞳でランティスを見上げる。
ランティスもその瞳に応えるようにを見つめる。
「・・・やっぱり・・・行くんだ。」
不安そうな表情のままはランティスに問う。
「あたしが行かないでって言っても・・・やっぱり行くんだよね・・・。」
「あぁ・・・すまない。」
「そっか。」
はランティスの決意の揺るがない目を見て、諦めたように目を伏せる。
ランティスはその体をそっと抱きしめる。
「・・・ランティス?」
「・・・帰ってくる。」
「本当?」
「あぁ、・・・時が来たら・・・必ず・・・。」
そう言ってランティスはの額に口付けをする。
「ん・・・。待ってる。ずっと。ランティスはあたしに嘘ついたことないもんね。」
はランティスの腕からするりと抜けると金色の髪を振り、にこりと笑った。
「・・・いってらっしゃい!ランティス!」
「・・・あぁ、必ず帰ってくる・・・。」
そう言ってランティスは己の聖獣にまたがり、セフィーロを後にした。
「・・・待ってるから・・・。」
はランティスの去った空を見上げて呟いた。