きみは変わらない笑顔で
放課後。2−Aの下駄箱前。そこが、あたしの定位置。
下校のチャイムが鳴って、友達に「また明日」と言って部活へ向かう人や放課後どこへ寄り道して帰ろうかと談笑する集団(放課後の寄り道は校則違反だから風紀委員に見つかったらおしまいだけど)の波に乗って下駄箱へ。あたしは自分の靴を取り出し上履きからローファーに履き替えて隣のクラスである2−Aの下駄箱前にスタンバイ。今日は補習とかなかったはずだから、もうすぐ彼もやってくるはずだ。ほら、
「てめぇはさっさと部活にでも行きやがれこの野球バカ!」
「ははっ!そんなに怒鳴って喉痛くねーのか?」
「突っ込むとこそこ?!」
いつもの三人のやり取りに、あたしも自然と笑みが浮かぶ。
「ツナ。」
「あ、」
あたしが声をかければちょっとだけ恥ずかしそうに顔を赤くするツナ。「らぶらぶなのなー。」と言って部活へ向かう山本君。「けっ。」とおもしろくなさそうな顔をしながらも、あたしたちのことをちょっとずつ認めてくれている獄寺君(その証拠にあたしたちが一緒に帰ることを邪魔しないでくれる)。
「か、帰ろうか。」
「うん。」
そう言って、ぎこちなくあたしの手を握ってくれるツナ。大好きなツナ。
一か月前、ダメ元であたしから告白して、OKをもらって、それからようやく一週間前、手をつなぐというところまで行った。それをツナを通じて友達になった花に言ったら「あんたたちって…、」ってものすごく呆れた顔されたけど、でも今、あたしは、
「ねぇツナ。」
「な、なに?」
「あたしね、今、ツナと一緒にいられて、すごい幸せだよ。」
ツナは?
ちょっと意地悪に、聞いてみた。そしたらツナは一瞬目を丸くして、真っ赤になって、それでもちゃんとあたしを見て、
「お、俺も、ちゃんと一緒にいられて、幸せだよ。」
あぁ、あなたを好きになって、本当によかった。
きみは変わらない笑顔で
(あなたの笑顔が)(あたしのたからもの)
スライディング土下座ぁあああああ!
二十五万企画参加ありがとうございます!「復活!で同級生で甘ったるい青春もの・相手ツナ」というリクだったんですが…甘い…ですか?すいませんこれが闇猫の精一杯です…!
こんな辺境の地の駄文サイトにまで足を運んでいただいてさらにリクエストまでしていただいたのに…!
書き直し命令は月山うさぎさまのみ。お持ち帰りも同様です。
タイトルは
確かに恋だった
様よりお借りしました。
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