Der Wachhund der Rose act13

「雛ちゃん・・・しっかりスネて降りてこないわねぇ。」
「見てきましたけど、どこかに隠れてしまってるみたいですね。」
雛苺が走り去ってからしばらく。おやつも終わり、落ち着いたころ。
「ねぇジュン君。雛ちゃんを見てきてあげてぇ。」
「はぁ?何で俺が・・・。」
ジュンは速攻で切り捨てる。
「お姉ちゃんお夕飯の買い物に行かなくちゃなのぅ。」
「私もお手伝いで行ってまいりますので。」
にっこり。ノリに続いても応える。
「一匹少ないだけで静かでちょうどいいじゃないか。」
「たまにはイイ事言うです人間〜〜。腹が減れば勝手に人里におりてくるです。」
ざっくり酷いことを言う二人。
「なっ!ダメッ!みんな仲良く仲直りよーっ!帰ってくるまでに雛ちゃんが除け者だったら・・・お夕食の花丸ハンバーグはとりやめ〜〜〜!」
ずどーん!
「はなま・・・?」
鶴の一声とはこのこと。
真紅と翠星石の表情が変わった。

ノリとなぜかを抱いたは夕食の買い物へ出かけていた。
「ちゃんと仲直りできたかしらぁ・・・?」
「大丈夫・・・だと思いますよ?」
は苦笑しながらノリの言葉に応える。
言葉では大丈夫だといいつつ、翠星石の性格を熟知しているは多分無理だろうなぁとか思っていた。
「とにかく。早くお買い物済ませて帰りましょう。みんながお腹空かせちゃうわぁ。」
「そうですね。」
知らぬが仏。の頭にはそんな言葉が浮かんだ。

「みんなぁただいまー。」
「只今戻りました。」
買い物を済ませ、家に戻った三人。
「ちゃんと仲直りでき・・・」
そこまで言ったところでノリの表情が固まった。
「た・・・?」
「あらあら・・・。」
そして、
プツ
ノリの何かがキレた。
っこらーッ!(激怒)。」
「・・・やっぱりこうなると思ったわ・・・ねぇ、。」
「ですね。マスター。」
家中にノリの怒鳴り声が響き渡り、はそれを苦笑しながら眺めていた。

「はいっ、じゃあみんな仲直りできたから・・・花丸ハンバーグですよぉ〜〜〜vv」
その後しばらくして、ノリの怒りに押されてとりあえず仲直りをした面々。
さっきまでものすごい勢いで怒り狂っていたとは思えない笑顔でにっこり微笑むノリ。
「・・・素晴らしい切り替えです。」
「ですね。」
その様子を見ながら、は正直な感想を述べる。
「本気で怒ると一番おっかねーんだアイツ・・・。」
「ヤツが真のボス猿ですぅ・・・。」
にっこにこで夕食にありつこうとしている雛苺をよそにジュンと翠星石も正直な感想を呟く。
そんな様子をやっぱり苦笑しながら見詰める

今日も桜田家には平和な時間が過ぎていく。
平和です(笑)。
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