Der Wachhund der Rose act17
「アリスゲームの始まりです・・・。」
「きゃっ!」
攻撃を仕掛けてくる蒼星石に、真紅は翠星石を突き飛ばす。
「あっあぶないの真紅!!」
「!」
雛苺が苺の蔓で翠星石の鋏を止める。
「よし・・・鋏を止めたッ!今だ!!」
ザザッ ガッ ボ・・・
しかしそれも束の間。
「せっかく楽しくなってきたのに・・・野暮な事しないのよおチビさん・・・。」
水銀燈の黒い羽根によって断ち切られた。
「ねぇ真紅・・・私と蒼星石。二人で組んだらどれだけ強いと思う?それに比べて貴女が引き連れているのは落ちこぼれの雛苺と蒼星石のオマケの翠星石。ああ・・・つまらない媒介と・・・役に立たない義妹もいたわね。」
水銀燈の嫌味(苦笑)。
「(何ィ?)」
「私はアリスゲームには参加しませんから。」
反応はそれぞれ。
「どちらが勝つかは目に見えてるんじゃなァい?」
「そうかしら?勝負の橋は最後まで渡ってみなければわからないのよ!」
「アリスゲームの・・・始まりですわね。」
シャン
水銀燈と真紅のにらみ合いに、が杓杖を打ち鳴らす。
それを合図とするように二人の攻撃が始まった。
「『薔薇の尾<ローズテイル>』。あの子達を追尾して捕らえて。」
真紅の薔薇が自在に動き回り、水銀燈と翠星石を追う。
「ホントに猫のしっぽみたいなのね。」
「僕には蛇に見えるけどな・・・。」
それを見て雛苺とジュンがそれぞれに感想を漏らす。
「ジュン様。貴方はこちらへ。」
「へ?」
そう言われてジュンはのほうを振り向く。
「巻き込まれないように、結界を張ります。」
シャン
ジュンがの隣に移動すると、は杓杖を打ち鳴らす。するとジュンとの周りに透明な花びらが舞う。
「鬼ごっこは・・・追いつかれなければいい。」
ジャキン!
その向こうでは蒼星石の鋏が真紅を襲う。
「真紅!」
結界の中でジュンが叫ぶ。
「そうね。あとは触れられなければいいのよ。」
「くっ・・・!」
さらに水銀燈の黒い羽根が真紅を襲う。
「ホーリエ!」
「メイメイ!」
二人の人工精霊がぶつかり合う。
「・・・ホーリエ・・・。」
真紅の人工精霊が力なく、落ちる。
「さぁしっぽも切れちゃったぁ・・・次は何をして遊びましょう。鋏と羽先とで裸にしてあげましょうか・・・?」
くすくすと水銀燈が笑う。
バ・・・バトルシーンは苦手・・・!!(二回目)。
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